対象は旧特定労働者派遣事業者のみ ! 「小規模派遣元事業主への資産要件軽減」とは
労務


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ここ最近、労働者派遣事業許可申請に関するご相談が急増中です。その多くが旧特定労働者派遣事業の廃止に伴う、現行の労働者派遣事業許可への移行に関するものなのですが、厳しい「資産要件」に頭を悩ませる小規模事業主様は少なくありません。

旧特定労働者派遣事業者であれば、暫定的な配慮措置である「小規模派遣元事業主への資産要件軽減」を活用することができます。さっそく、概要を確認することにしましょう。


対象は、常用雇用の派遣労働者が10名以下の中小企業


現行の労働者派遣事業許可申請に関わる資産要件は、下記の通りとなっています。

■ 財産的基礎に関する判断(事業主(法人又は個人)単位で判断)
イ 資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が2,000万円に当該事業主が一般労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること

ロ イの基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。

ハ 事業資金として自己名義の現金・預金の額が1,500万円に当該事業主が一般労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。

参照 : 厚生労働省『労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-』


労働者派遣事業許可申請を行う事業主は、上記の資産要件を満たせることが原則となりますが、旧特定労働者派遣事業者に認められているのが、下記の特例要件です。

■ 小規模派遣元事業主への暫定的配慮措置
(1) 1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が 10 人以下である中小企業事業主(当分の間)
・基準資産額 1,000 万円
・現預金額 800 万円

(2) 1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主(~平成30年9月29日まで)
・基準資産額 500 万円
・現預金額 400 万円

参照 : 厚生労働省『「労働者派遣事業の許可基準の改正」の概要について』

この配慮措置を受けるためには、申請時に「財産的基礎に関する要件についての誓約書(様式第16号)」を添付します。

参照 : 東京労働局『労働者派遣事業関係』2 労働者派遣の許可(新規・更新)について


新規事業者は配慮措置の対象外


上でご紹介した配慮措置については、これから新たに派遣事業を開始しようとする小規模事業主は適用対象外となりますので、ご注意ください。

平成27年9月30 日の改正派遣法施行から1年間は対象とされていたのですが、平成28年9月30日以降はこの措置の対象から外されています。

繰り返しになりますが、現状、資産要件の緩和が認められるのは、旧特定労働者派遣事業者のみとなっています。


配慮措置を受ける場合には、長期の事業計画を見据えた申請を


旧特定労働者派遣事業者への経過措置が終了する平成30年9月30日を目前に、本号でご紹介した資産要件の軽減措置を利用して、労働者派遣事業許可申請を行う会社も多いかと思います。

ですが、すでにご紹介した通り、この配慮措置には「常用雇用の派遣労働者数」の制限があります。例えば事業拡大等で雇用する派遣労働者数を増やす様な場合には、配慮措置の対象からは外れてしまうため注意が必要です。その場合には、原則となる資産要件を満たさなければなりません。労働者派遣事業許可の有効期限は「3年」ですから、少なくとも向こう3年間の事業計画をよく検討して申請するようにしましょう。


まとめ


労働者派遣事業を行うための要件が厳しくなり、これまで特定労働者派遣事業を行っていた事業主様であれば、何かとご不安なことも多いかと思います。しかしながら、経過措置の有効期限は確実に迫っていますので、早急な対応が必要です。通常、申請から許可までに2~3ヵ月かかりますが、今後は申請件数増加に伴い、さらに時間を要す可能性があります。

申請については、社労士にご相談いただく他、都道府県労働局でも説明会が行われていますので、一度話を聞いてみると良いでしょう。

以下は東京都の説明会に関わる情報です。詳細は各都道府県労働局にてお問い合わせください。

参照 : 東京労働局『労働者派遣事業関係』6 労働者派遣事業に係る各種説明会・研修会開催予定

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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