社員の副業、どう対応する ? 「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」が公開されました
労務


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「副業どうする ? 」と思ったら、他社の事例に学ぶべし


「終身雇用」が当たり前だったひと昔前から一転、最近では個に応じた多様なワークスタイルが一般的に広く認められるようになりました。社員の副業・兼業の是非についてもその一つとなるわけですが、一方で、現場ではまだまだ十分な体制が整っていないというのが現実のようです。

御社では、社員の副業にどう対応されているでしょうか ?

「未だ方針を決めかねている」「認めても良いが、どのような条件を設けるべきか検討中である」「他社の例を参考にしたい」といった際に役立つ事例集が、このたび経済産業省より公開されました。


個人と会社、それぞれの立場からみる「兼業・副業」


今回公開された資料は、兼業・副業を実践している働き手や兼業・副業を容認している企業の創業・新事業創出の事例をまとめたものです。

参照 : 経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」

<個人について>
・兼業・副業に至った背景
・会社からのサポート
・個人が考える兼業・副業のメリットとデメリット

<会社について>
・兼業・副業容認に踏み切った背景と狙い
・従業員へのサポート
・会社が考える兼業・副業のメリットとデメリット
・兼業・副業におけるルール


上記の内容がコンパクトにまとめられており、労働者がどのような事情から兼業・副業に至ったのか、実際に取り組んでみて本業にどのようなプラスの効果がもたらされたか等、会社目線で見たときに興味深い情報が得られるのではないかと思います。

また、後半では他社のルール(対象者・認めている業務範囲・社内手続き)が紹介されており、自社の規程を整備する際の参考にすることができそうです。


働き方改革の一環として、検討すべき「兼業・副業」に関する規定


今や多様な働き方が認められるべき時代ではありますが、一方で、無制限に従業員の要望を認めるとなれば、本業にあらゆる弊害が生じる可能性が高くなります。兼業・副業をするかしないかはある種“個人の働き方の問題”であるといえども、本業である御社での業務遂行に支障が出ないよう、労務管理の一環として一定のルールを設けることが必要です。

従業員の兼業・副業に関して、具体的に定めておくべき事項は下記の通りです。

■ 対象となる従業員
■ 許可を得るための手順
■ 許可の要件
■ 副業先の制限(除外業務等)
■ 服務規律
■ 懲戒規定
■ 機密保持に関わる事項


兼業・副業に関わる規定については、少し調べればたくさんの情報を入手することができます。しかしながら、安易にそれらを丸写しにしては、万が一の時、せっかく定めたルールが思うように機能してくれないことも。

例えば、対象となる従業員に「正社員」を含める場合、どうしても過重労働が問題となるでしょう。加えて、あくまで副業(本業の傍ら、労力をかけずに行える仕事)を認めるのか、それとも兼業(本業と同レベルで労力を費やす仕事)までOKとするのか、もしくはパラレルキャリア(必ずしも収入を得る仕事でなく、スキルアップや社会貢献等の目的で行う社外活動をも含む)として幅広く認めるのか等の本業とのバランスについても、よく検討する必要があります。

また、本業で従事する業種との兼ね合いから、すべての業種での副業を認めることが難しい場合もあるでしょう。少なくとも、上に挙げた項目については、事前に社内ルールを充分に検討しておくことが、後々のトラブル回避のカギとなります。


まとめ


昨今の働き方改革の中で、今後ますます増加するであろう労働者の兼業・副業。従来以上に多様な働き方が可能になることをプラスに評価する一方で、事業主側は冷静に、万全な体制を整えておくことが重要です。

なお、労働関連の現行法は、今の段階では兼業・副業を想定した内容であるとは言い難い部分があります。時間外労働に伴う割増賃金負担や、条件を満たした際の兼業先での社会保険・雇用保険加入ルール等については、今後順次法整備が進められることになっている様です。今後の動向に注目が集まります。

「現段階で、兼業・副業を認めるためのポイントは ? 」
「今、制度を整えるとしたらどうするべきか ? 」
等のご相談は随時承っております。お気軽にお問い合わせください。

参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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