平成30年度より対象企業拡大、事業主が果たすべき「障がい者雇用状況の報告義務 」
労務

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障がい者の法定雇用率引き上げに伴い、事業主に課せられる義務とは


前回の記事「今後は従業員46名で1名雇用!平成30年4月より、障がい者雇用率が引き上げられます」に引き続き、今号も障がい者雇用をテーマとしたお話です。

障がい者雇用について、平成30年には従業員数46名以上、さらに平成33年度中には従業員数44名以上の企業が、法定雇用率を満たすべき対象となります。対象企業となったとき、新たにやるべきこととして追加されるのは下記の通りです。


障がい者雇用状況の報告


毎年6月1日現在における障がい者雇用状況を翌月の15日までに厚生労働大臣の定める様式により、主たる事業所(本社)の所在地を管轄している公共職業安定所の長に報告することが義務付けられています。一定規模以上の事業主であれば、障害のある方を雇用している・していないにかかわらず、当該報告をする必要があります。


障がい者雇用推進者の設置


障がい者の雇用促進及び安定を図るため、障がい者雇用推進者を設置するよう努めなければなりません。障がい者雇用推進者の業務は下記の通りです。

・障がい者の雇用の促進及び継続を図るため、施設又は設備の設置又は整備その他の諸条件の整備を図るための業務

・厚生労働大臣に対する身体障がい者又は知的障がい者である労働者の雇用に関する状況の報告

・障がい者を解雇する場合における公共職業安定所長への届出の業務

・身体障がい者又は知的障がい者の雇入れに関する計画の作成命令を受けた場合における国との連絡等に関する業務



障がい者職業生活相談員の設置


一定数(現状5人)以上の障がい者を雇用する事業所では障がい者職業生活相談員を選任し、その者に障がい者の職業生活全般についての相談、指導を行なわせなければならなりません。障がい者職業生活相談員の業務は下記の通りです。

・障がい者の適職の選定、能力の開発向上等障がい者が従事する職務の内容に関すること

・障がい者の障害に応じた施設設備の改善等作業環境の整備に関すること

・労働条件や職場の人間関係等障がい者の職場生活に関すること

・障がい者の余暇活動に関すること

・その他障がい者の職場適応の向上に関すること



障がい者解雇届の届出(障がい者を解雇した場合)


事業主の方が障がい者を解雇しようとする場合には、その旨を速やかに当該障がい者が雇用されている事業所の所在地を管轄する公共職業安定所に届け出る必要があります。

出典 : 愛知労働局「事業主の皆さまが行うべきとされている事項について」

以上より、法定雇用率を満たすべき事業主のすべてが対象となるのは「障がい者雇用状況の報告」です。ちょうど年度更新や算定基礎届等の提出時期と重複しますが、ハローワークから用紙が送られて来たら忘れずに対応しましょう。


法定の割合で障がい者を雇用できなかったときはどうなるのか


ところで、仮に障がい者の法定雇用率を満たせなかった場合はどうなってしまうのでしょうか?この点については、雇用率未達成企業は納付金を徴収されることになっています。金額は「不足1名あたり月額5万円」とされていますが、現状、下記の通り特例が適用されています。

・ 常用労働者100名超の企業から徴収することとし、100名以下の企業からは徴収していない

・ 常時雇用している労働者数が100人を超え200人以下の事業主は平成27年4月1日から平成32年3月31日まで納付金の減額特例が適用され、「不足1名あたり月額4万円」の徴収となっている


一方、法定雇用率を達成した事業主に対しては報奨金、調整金が支給されます。

■ 障がい者雇用調整金
常時雇用している労働者数が100人超であり、雇用障がい者数が法定雇用障がい者数を超えている事業主に対し、超過1人あたり月額2万7000円

■ 報奨金
常時雇用している労働者数が100人以下で、支給要件(※)として定められている数を超えて障がい者を雇用している事業主に対し、超過1人あたり月額2万1000円
※「4月から3月までの各月ごとの常用雇用労働者数×4/100の合計数」又は 「72人」のいずれか多い数を超える障がい者を雇用している場合

参照 : 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害雇用納付金」各マニュアル



知っておきたい、障がい者雇用にまつわる諸制度


障がい者雇用に関して、「今後、法定雇用率を満たす必要が出てきそうだ」「今一度詳しい制度概要を理解したい」という事業主様であれば、下記の資料を参照されることをお勧めします。障がい者雇用に関わる各種制度の仕組みやルール等、知っておくべきことがまとめられており、分かりやすく理解できます。

参照 : 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「平成27年4月「改正障がい者雇用納付金制度」スタート!」

参照 : 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「各種資料(障がい者雇用)」


まとめ


法定雇用率の引き上げに伴い、今後、障がい者雇用はますます多くの事業主にとって無関係とは言えない話題となってまいります。ぜひ早期から準備を進め、必要な体制作りに取り組みましょう。ご相談は労務管理の専門家である社会保険労務士まで、お気軽にお問い合わせください !

参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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