御茶ノ水の税理士、トライデント会計事務所の中川です。今回は確定申告の損得について、2つのケースを取り上げて検討してみましょう。
細かい仕組みは国税庁のHP(医療費控除)を参照して頂くとして
、医療費控除をするとすれば何を注意するのか、そもそもやらない方がいいのではないか?というお話をしたいと思います。
ポイント1. 集計で忘れがちなこと
まず、世帯毎に集計してOKです。ご自身はもちろん、奥様、お子さま、同居等していればご両親まで集計に含めてOKです。
給付金等がでたら集計から減額しなければなりません。たとえば、出産すると医療費控除と思い浮かぶ方もいると思いますが、出産一時金とかでますとそれらは減額します。
ただし、予防はダメ(健康診断とか予防接種)です。お子様の予防接種などを入れる方がいますが、治療以外の費用は認められません。
ポイント2.こんなものも集計可能
交通費(電車代)は集計OKです。意外に忘れがちなのが電車代です。
往復の電車代は実費で控除可能です。税理士に依頼してもその情報なければ集計してもらえないことも多いので、1回通うと電車代いくらになるかの情報も忘れずに伝えてくださいね。 ただし、タクシーやガソリン代は原則不可です。
ポイント3.費用対効果を考える
意外にみなさん抜けているのですが、医療費控除以外に申告に必要がない方は、コストと時間の面でやらない方がいいこともあるかと思います。
まずそもそもいくら返ってくるのかを考えるべきかと思います。一般的には10万円を超えた部分の金額×税率分返ってきますので、集計額が11万円の方で税金がそれほど高くない方は、500円【(11万-1万)×5%】しか返ってきません。
このとき、税理士に依頼すると費用的には本末転倒です。税理士に頼むと最低でも1万円くらいは取られるかと思います。 そうであればご自身で税務署へ行って教えてもらいながらやってしまおう・・・となりますが、ものすごく混んでいて時間をとられます。滞在時間が1~2時間ですめばいいですが・・・もっとかかることもあります。
ということで、給与収入のみで年末調整済みの人が医療費控除のためだけに確定申告をやってみようという場合、 国税庁のHPから申告書の作成をしてみることをお勧めします。(最後まで電子申告するとなると電子証明等ややこしいので、紙で出力して提出でOKです)
ポイントは、まず源泉徴収票の情報だけを先に入れることです。年末調整で税金の精算は済んでいますから、還付にも納税にもなりません。これで入力されている税金計算の為の情報に漏れがないことがご自身で確認できます。
そして、最後に医療費控除を入力してみてくださいね。
青色申告って知っていますか?
次に青色申告ってどうなのということで、現状すでに事業を行っている方、確定申告の青色申告の届出について考えてみたいと思います。 開業時を除くと、青色申告の届出期限はその年の3/15までになります。
この青色申告、面倒ではありますが65万円控除をとれる方※には様々なメリットがあります。
※個人事業の方はもれなくとれますし、不動産所得の方でも貸室が10室(ほかにもいくつか基準があります)あればとれますので是非、ご検討ください。
青色申告のメリット
青色申告の主なメリットは以下の通りです。 ※65万円控除ができる方を例にしております65万控除が使える
税率が最低限の人でも税金かかっている方であれば97,500円(65万×15%分)税金が安くなります。
専従者給与が使える
家族の方に給与を出せますので、事業における利益を分散できます。 しかも給与ですので、給与所得控除というかたちでさらに税金が安くなります。
30万未満の資産が一括で経費にできる
通常なら10万円未満のものしかすべてを取得した年の経費にできませんが、30万未満までできます。
赤字を3年間繰り越せる
来年利益がでれば繰り越した赤字分と相殺して税金を安くできます。
青色申告のデメリットは ?
メリットばかりあげましたが、デメリットもあります。 一番の問題は会計ソフト等に入力して損益計算書と貸借対照表をつけることです。これらを天秤にかけると、どういう結論に至るでしょうか?もしかすると今まで自分で数日かけて何とかこの時期にやっていた確定申告の苦労が、 いらなくなった上にさらに節税メリットがでるかもしれません。
つまりは税理士に丸投げしても節税メリットが出る可能性が高いです。そんなわけで、来年からの青色申告を検討したい方、是非ご連絡を。