この記事の目次
1子供の養育義務と扶養控除
自身の子供には養育義務があり、収入面のみならず生活面での援助を行う必要があります。子供が通常20歳になるまで、または学校を卒業して就職するまでの間は自身と同様の水準の生活を保持させなければなりません。この養育義務は文字通り義務ですので、これを放棄してはなりません。一般的な世間の心情としても自身の子供を養育しない、ということは非難の対象となるでしょう。
一方で、所得税法からみる子供の扶養親族としての取り扱いは少々異なります。扶養親族に該当すると、扶養控除という控除が適用され、その結果として所得税の減税をすることが出来ます。これは年末調整や確定申告を行う際に、自身で扶養状況を申告する必要がありますので、判断を誤らないようにしなくてはなりません。それでは所得税法上の子供の取り扱いについて説明をします。
2子供が所得税法上の扶養控除に該当するには
自身の子供の養育義務は子供の誕生時から発生をします。しかし、所得税の減税効果のある扶養控除に該当するには、条件があります。自身の子供が扶養控除に該当するための条件とは、下記の通りです。
① 自身と生計を一にする子供であること
② 子供の年間の合計所得金額が38万円以下であること
③ 子供が青色申告者の事業専従者として一度も給与の支払いを受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと
④ 自身が所得税の申告する年の12月31日時点で16歳以上の子供
② 子供の年間の合計所得金額が38万円以下であること
③ 子供が青色申告者の事業専従者として一度も給与の支払いを受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと
④ 自身が所得税の申告する年の12月31日時点で16歳以上の子供
これらの条件を全て満たした子供が扶養控除に該当します。下記ではこれらの条件について詳しく説明します。
3扶養控除の条件の詳細
①自身と生計を一にする子供であること
生計を一にする、というのは簡単な表現にしますと、同じ財布で生活を送る、という意味になります。そのため収入が無い子供が同居して一緒に生活を行っている場合には問題なく生計を一にしていると判断できます。
しかし必ずしも同居を要件とするものではなく、勤務、就学、療養などの都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを条例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、生計を一にすると判断が出来ます。よって例えば学校生活の都合上、寮で暮らす高校生の子供に自身が毎月生活費を渡している場合は、同居をしていませんが、生計を一にしているものとされます。
②子供の年間の合計所得金額が38万円以下であること
扶養控除に該当するためには、扶養にする人の収入要件があります。子供が働いている場合は、一定の金額以上の所得を得ると扶養控除に該当しません。所得金額が38万円以下の場合が扶養控除に該当します。
所得金額とは、収入金額から所得控除を差し引いた金額です。給与収入のみのアルバイトを行う一般的な子供でしたら、給与所得控除65万円+所得金額上限38万円=収入金額103万円が、扶養控除に該当することのできる収入の上限となります。
③子供が青色申告者の事業専従者として一度も給与の支払いを受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと
事業専従者とは、年の半分以上を青色申告者の営む事業に従事している15歳以上の親族が該当します。自身が青色もしくは白色申告者であり、子供を青色事業専従者としている場合には、扶養控除ではなく事業専従者控除という別の控除を適用します。
④自身が所得税の申告する年の12月31日時点で16歳以上の子供
子供の誕生時から発生する養育義務ですが、所得税の減税効果を得られる扶養控除に該当するには、16歳以上となっております。これは子供がいる家庭には子供手当等の国からの補助金があるためとされています。
補助金等は地方自治体により異なる制度がありますが、所得税法上で扶養控除に該当するかの判断は、国全体で一律、自身が所得税の申告する年の12月31日時点で16歳以上の子供とされています。
4まとめ
上記が子供を扶養控除に該当するための条件となります。ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをおすすめいたします。
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