確定申告における「租税公課」とは何か
税務・財務


この記事の目次

1. 租税公課とは

租税公課とは、勘定科目のひとつであり、勘定科目とは、複式簿記の仕訳や、財務諸表に用いる表示金額の名目を表す科目のことです。 租税公課は費用科目として表示を行い、「租税」と「公課」を処理します。
この「租税」とは、国税や地方税などの税金のことをさし、また「公課」とは国、地方団体、その他団体などから課せられる会費、組合費、賦課金、交通反則金などの賦課金をさします。

2. 確定申告における租税公課とは

個人の確定申告では、事業所得、不動産所得、農業所得のある方は、それぞれの所得に応じた損益計算書を作成されることが求められています。 損益計算書とは申告する年度の1月1日から12月31日の取引を表示する報告書です。
その損益計算書の表示科目のひとつに租税公課という科目が設けられています。

個人の租税公課に該当する取引の具体例は下記の通りです。

<租税に該当するもの>
●国税…印紙税、登録免許税、税込経理における消費税額など
●地方税…事業税、固定資産税、償却資産税、自動車税など

<公課に該当するもの>
印鑑証明や住民票発行など公共サービスに対する手数料など

また租税公課と性質は似ていますが、該当しない取引の具体例は下記の通りです。

<個人的な使用に係る固定資産税、自動車税など>
…損益計算書に計上することのできる支出は、事業に係るもののみです。よって事業所用家屋の固定資産税、事業用に使っている車の自動車税、は計上ができますが、自宅や自家用車に係るものは計上ができません。自宅の一部で事業を行っている場合、自家用車と事業用車を1台で兼用している場合には、適正な割合で按分をして算出された金額の計上が求められます。

<税抜経理における消費税>
…税抜経理では仮受消費税と仮払消費税との差額として、未払消費税を計算し、未払金や未払消費税という科目で消費税額を計上します。

3. 租税公課の計上時期

租税公課の集計は1月1日から12月31日を期間として行いますが、この計上時期には決まりがあり、原則的には発生主義で計上を行います。 発生主義とは実際の現金収支の事実ではなく、将来的な収益に結び付く経済価値があるかどうかに着目して費用や収益を計上する会計基準のことです。

例えば、平成29年12月30日に12月分の電話料金の請求を受け、支払いが翌年平成30年1月3日になった場合、これは平成29年12月30日に通信費として計上するべきであり、平成29年分の確定申告の損益計算書に盛り込まれるべき費用となります。

一方で現金主義という会計基準があり、こちらは上記の場合、支払を行った平成30年1月3日に通信費として計上すべきであるという考え方で、この場合は平成30年分の確定申告書の損益計算書に盛り込まれます。この現金主義は実際に支払いをした時点に費用を認識するため、分かりやすいですが、特例としての会計基準となっているため、確定申告で青色申告をする場合には届け出が必要となっております。

租税公課の範囲では、特に1年間の賦課に対して、分割払いの行えるものには注意が必要です。例えば固定資産税は、平成29年の1年間の賦課金額は平成29年1月1日時点の家屋や土地の状況で金額を市区町村から決定され、5月ごろにその決定した金額のお知らせと、納付書が個人宛に郵送されてきます。その決定された金額は年4回に分けて支払うことができ、その第4期目の納付期限は平成29年分の固定資産税の場合、平成30年2月28日です。

つまり上記の場合のように、支払いをするべき金額が決定した時点と、支払う時点が12月31日をまたいでしまいます。このような場合も、平成29年に租税公課として1年間の賦課金額を計上すべきであり、実際の支出が行われるまでは、未払の状態で計上をしておくべきです。
このように正しい租税公課の集計には、発生主義の会計基準の考え方が必要です。

4. まとめ

正しい租税公課の集計には、租税公課に該当するかという内容の確認と計上時期の確認が必要となります。 正しい集計が、しっかりとした税務署から指摘のない確定申告を行うための近道です。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。