退職時は注意?!退職金からも源泉所得税が徴収される税金のお話
税務・財務


この記事の目次

1.退職金からも源泉所得税が徴収される?!

勤務期間の終了を奨励するような意味で支払われることの多い退職金。 結婚祝い金やお見舞金のような、勤務先からの無償のプレゼントのようなイメージがあるかもしれません。
しかし、これは無償のプレゼントではなく、給与が支払われる際と同じように、源泉所得税が徴収される場合があります。結婚祝い金やお見舞金とは何が違うのでしょうか。

2.退職金の税務上の取り扱い

結婚祝い金やお見舞金と、退職金では税務上の取り扱いが異なります。
結婚祝い金やお見舞金などの慶弔関係の所得は、非課税とされています。これは贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、確定申告をする必要がありません。結婚式で貰ったご祝儀やお葬式で受け取った香典を申告しなくてはならない、という話は、結婚式場でも葬儀会社でも聞いたことはないでしょう。

一方で、退職金は退職所得、という条件によっては課税されるべき所得であり、上記の非課税の所得とは取り扱いが異なります。
退職所得とは、退職により勤務先から支払われる退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に起因して支払われる一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。

また退職所得は退職金と同額ではありません。給与収入と給与所得の金額が異なるように、退職金の額面金額と退職所得の金額は異なります。

退職所得の計算方法は以下の通りです。

(収入金額(源泉徴収される前の金額)△退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

この算式で使われる退職所得控除額は、次のように計算します。

①勤続年数が20年以下の場合
40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)

②勤続年数が20年超の場合
800万円+70万円×(勤続年数△20年)

一例として、勤務年数が10年の人が480万円の退職金が支払われた場合、退職所得控除額は、40万円×10年=400万円のため、退職所得は、480万円△400万円=80万円となります。
また、退職所得が0円の場合は、所得税等が課税されません。同様の勤続年数の場合、400万円までの退職金が支払われた場合は、退職所得が0円となりますので、所得税額が課税されません。

3.退職所得に対する源泉所得税の計算

退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します。なお、退職金等の支払いの際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職金等の支払者が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払いの際に、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。

退職所得の金額に応じた所得税等の計算は、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」という計算式が国税庁より公表されていますので、そちらを利用します。この速算表では課税退職所得金額に応じて所得税率、控除額が定められています。 一番低い所得税率は5%で、45%まで退職所得が多額になるほど、段階的に所得税率が上がります。

上記の一例の退職所得が80万円の人の退職所得に係る所得税率は、段階の中では一番低い税率である5%ですので、80万円×0.05=4万円が所得税額です。また復興特別所得税額は4万円×2.1%=840円です。
この合計の「40,840円」が退職金から源泉徴収される所得税等の金額です。

一方で、「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職金等の支払金額の20.42%の所得税額及び復興特別所得税額が源泉徴収されますが、支給された本人が確定申告を行うことにより、所得税額及び復興特別所得税額の精算をします。 上記の一例の退職金が480万円支払われた人に係る所得税は、480万円×20.42%=980,160円です。

4.まとめ

退職金に係る所得税額は課税される場合、課税されない場合があります。いずれの場合も「退職所得の受給に関する申告書」を退職金等の支払者に提出する事をお勧めします。
また上記の内容でご不明点がございましたら、ぜひ専門家に相談されることをお勧めいたします。

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