法人税の税率について解説します
税務・財務


この記事の目次

法人税とは

法人である会社は、その事業年度の結果を毎期申告しなくてはなりません。また申告の結果により納税を行う必要があります。毎期申告、納税する税目の一つが法人税です。この法人税は原則、その事業年度の終了から2ヶ月以内に申告と納付を行います。

法人税の計算は、会計上の利益とは異なる、法人税法上の所得金額に法人税率を乗じて行います。会計上の利益とは、事業年度の全ての費用と収益を集計し、その差額として計算をされた利益を指します。一方で法人税法上の所得金額とは、会計上の利益について、法人税法上で認められない費用や収益があればそれを除外、又は法人税の計算上のみ認められる費用や収益があれば加算して算出をされた利益をさします。

例えば、当期の費用が100万円、収益が200万円であれば、会計上の利益はその差額の100万円です。しかし前期の利益が△200万円であった場合、法人税法上の所得の計算においては青色申告を行っている法人の場合は前期の損失と当期の利益を相殺することが出来るため、法人税法上の所得金額は0円となります。

このように会計上の利益とは異なる、法人税法上の所得金額に対して、法人税率を乗じて計算を行います。前の例ですと、法人税法上の所得金額が0円ですので、法人税に関しては税金が発生をしません。

それでは、法人税法上の所得金額に乗じる法人税率を一覧でご紹介致します。

法人税率の一覧

以下の図について、H28と記載されている年度は平成28年4月1日から平成29年3月31日開始事業年度、H29と記載されている年度は平成29年4月1日から平成30年3月31開始事業年度、H30と記載されている年度は平成30年4月1日から平成31年3月31日開始事業年度、H31~と記載されている年度は平成31年4月1日以後開始事業年度です。またいずれも単位は%です。

区分H28H29H30H31~
中小法人*¹、一般社団法人、人格のない社団等年800万円以下の所得 15151519
年800万円超の所得23.4 23.423.223.2
中小法人以外の普通法人23.423.423.223.2
一般社団法人以外の公益法人等、協同組合等、特定の医療法人 年800万円以下の所得15151519
年800万円超の所得19191919
10億円超の所得*²22222222
*¹…期末資本金の額又は出資金の額が1億円以下の普通法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等による完全支配関係がある子法人等を除く)
*²…特定の協同組合等の年10億円を超える所得

例えば平成30年4月1日を期首とする中小法人の法人税法上の所得金額が900万円であった場合は、800万円×19%+100万円×23.2%=175.2万円が納付すべき法人税となります。中小法人については800万円を境に税率が異なるため、黒字の会社はその金額を超えない範囲の所得に抑えることも節税対策の一つともいえます。

まとめ

以上のように法人税は税率が定められています。法人税の税率は、その事業年度の開始時期によって異なるため、法人税の納付金額の予測などをご自身で行う場合には、最新の情報を確認することが大切です。

実際の法人税の納付金額の計算や申告は、法人税率の最新の情報の取得のみならず、税率を乗じる元となる法人税法の所得金額の確定が必要です。法人税法の所得金額は、会計上の利益とは異なるため、法人税法の理解が必要です。

法人税法は毎年のように改定があり、理解が難解な部分もあります。実際の法人税の納付金額の計算や申告は、専門家に依頼をすることで、会社の申告作業における時間的な負担や人件費の負担、計算間違い、また計算間違いによる税務調査や修正申告に対するリスクを防ぐことが出来ます。

上記の内容でご不明な点や、実際の納付金額の計算や申告についてなど、税金についてお困りのことがございましたら、身近な専門家にご相談することをお勧めいたします。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。