簡易課税における事業区分について
税務・財務


この記事の目次

1.原則課税と簡易課税

消費税の計算方法には原則課税と簡易課税があります。簡易課税は課税売上高が5,000万円以下である事業者が簡易課税制度選択届出書を提出することで使用が出来る消費税の計算方法です。 簡易課税は2年間継続して適用をしなくてはならず、原則課税にすぐに戻すことは出来ません。

2.みなし仕入率とは

原則課税と簡易課税は消費税の計算過程が異なります。原則課税とは課税売上に係る消費税から課税仕入に係る消費税を差引して、納付すべき消費税額を計算します。一方で簡易課税とは課税仕入に係る消費税を実際に支払った金額を集計して求めるのではなく、課税売上に対して一定の割合を乗じた金額を課税仕入に係る消費税とみなして計算をします。この一定の割合をみなし仕入率といいます。

具体的には、簡易課税による仕入に係る消費税は、課税資産の譲渡額(特定資産の譲渡等を除く)に係る課税標準額に対する消費税額△売上返還等対価に係る消費税額)×みなし仕入率+(特定課税仕入に係る課税標準に対する消費税額△特定課税仕入に係る返還等対価に対する消費税額) という式で計算をします。

3.事業区分について

みなし仕入率は第一種から第六種の事業区分によって異なります。

平成27年4月1日以降に開始する課税期間
区分該当業種
第一種事業卸売業 90%
第二種事業小売業80%
第三種事業建設業、製造業、農林漁業等70%
第四種事業その他の事業60%
第五種事業金融保険業、運輸通信業、飲食店を除くサービス業50%
第六種事業不動産業40%

事業区分の判定は、以下のような取引の実態に基づいて行います。

資産の譲渡商品等の譲渡購入した商品の性質や計上を変更した 第三種事業
上記以外販売先が事業者第一種事業
上記以外第二種事業
上記以外第三種事業
事業用固定資産等の譲渡 第四種事業
副産物、廃材等の譲渡 日本標準産業分類の大分類が、農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気ガス熱供給業、水道業に該当する 第三種事業
上記以外第四種事業
資産の貸付、役務の提供 日本標準産業分類の大分類が、農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気ガス熱供給業、水道業に該当する 加工賃等を対価とする役務の提供第四種事業
日本標準産業分類の大分類が、情報通信業、運輸業、郵便業、物品賃貸業、学術研究、専門技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス業、金融業、保険業、サービス業(他に分類されないもの)に該当する飲食業に該当する第四種事業
上記以外第五種事業
日本標準産業分類の大分類が、不動産業に該当する 第六種事業
日本標準産業分類のだいぶん類が上記の製造業及びサービス業のいずれにも該当しない 第四種事業

取引の実態に応じて区分が変わるため、例えば不動産業を営む事業者が、不動産賃貸によって得た収入については第六種事業として消費税を計算しますが、この事業者が事業に使用している車両を売却して得た収入は、資産の譲渡に該当をするため第四種事業として計算を行います。

このように、同一の事業者であっても、その取引内容によって異なるみなし仕入率を使用して消費税の計算をする場合があります。

4.まとめ

以上のように、消費税の計算方法として簡易課税を選択したい場合は、簡易課税制度選択届出書を提出し、かつ計算の際には自身の事業内容がどのみなし仕入率に該当するかを確認する必要があります。 上記の内容に不明な点がある、どの業種に該当をするかの判断が難しい、または複数の種類の事業を営んでいてどのように消費税を計算したら良いか不明である、などお困りのことがございましたら、身近な専門家に相談をされることをお勧め致します

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