自社株の原則評価方式における会社規模の判定
税務・財務


自社株の評価方式に原則的評価方式が適用される場合は、その会社を従業員数、総資産額、取引金額の3つの基準によって、大会社、中会社、小会社に区分をして評価をします。

会社の規模により会社の評価方法は異なり、大会社は類似業種比準価額と純資産価額のいずれか低い価格、中会社は類似業種比準価額に0.9~0.6を乗じたものに、純資産価額に0.1~0.4を乗じたものを足したものと、純資産価額に0.9~0.6を乗じたものに、更に純資産価額に0.1~0.4を乗じたものを足したものの、いずれか低い価額、小会社は類似業種比準価額に0.5を乗じたものに純資産価額に0.5を乗じたものを足したものと、純資産価額のいずれか低い価格を採用します。

以下では大会社、中会社、子会社の区分方法を順番にご紹介致します。

この記事の目次

手順① 従業員基準

従業員数が70人以上の会社は必ず大会社に該当します。70人未満の会社は次の②、③により判定を行います。 また従業員数は以下のような算式で計算をします。 従業員数=継続勤務従業員+(継続勤務従業員以外の従業員の1年間の労働時間合計/1,800時間)

手順② 総資産額基準

直前期末の総資産価額及び直前期末以前1年間における従業員数に応ずる区分で判断をします。総資産価額にて判断した会社規模と、従業員数にて判断した会社規模の、どちらか低い方を手順②で求めた会社区分とします。

卸売業小売・サービス業その他 従業員数会社規模
20億円以上 15億円以上15億円以上35人超大会社
4億円以上20億円未満5億円以上15億円未満 5億円以上15億円未満35人超 中会社
2億円以上4億円未満2.5億円以上5億円未満 2.5億円以上5億円未満20人超35人以下
7千万円以上2億円未満 4千万円以上2.5億円未満 5千万円以上2.5億円未満 5人超20人以下
7千万円未満4千万円未満 5千万円未満5人以下 小会社

手順③ 取引金額基準

直前期末以前1年間の取引金額に応ずる区分で判断をします。

卸売業小売・サービス業その他会社規模
30億円以上20億円以上15億円以上大会社
7億円以上30億円未満5億円以上20億円未満 4億円以上15億円未満中会社
3.5億円以上7億円未満2.5億円以上5億円未満 2億円以上4億円未満
2億円以上3.5億円未満6千万円以上2.5億円未満 8千万円以上2億円未満
2億円未満6千万円未満 8千万円未満小会社

手順④ 手順②と③によって求めた区分を比較し、会社規模の高い方をその会社の区分とします。

このように手順①~④を順番に行うことで会社の区分を判断します。これらの手順で留意をしたい点は、従業員数が70人以上の会社は必ず大会社に該当をしますので、手順②から④の確認は必要ないことと、手順②では比較をした際に低い規模の会社区分を採用しますが、手順④では比較をした際に高い規模の会社区分を採用することです。

自社株の評価額の算出は、原則的評価方式を採用するか、特例的評価方式を採用するかで異なり、更に原則的評価方式を採用することが決まっても、具体的な計算方法は大会社、中会社、小会社に異なるため、とても手間のかかる作業です。

また自社株の評価額の算出は、その後の事業承継対策を考え実行をしていくことが主目的の場合が多く、手間がかかる割にはその事業承継対策の判断手段でしかないといえます。

まとめ

自社株の評価額の算出をはじめ、事業承継対策は経営者の意向が強く反映されるものですが、その意向を反映するには検討すべき事項が沢山あります。しかし検討すべき事項が沢山あるにも関わらず、事業承継の意向を発表するだけでも社内の雰囲気が変わる恐れもあることから、身近な人には相談をしにくい内容でもあります。

事業承継に関してお困りのことがございましたら、客観的な立場からアドバイスをすることの出来る専門家に相談をされることをお勧めいたします。

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