消費税の記帳を正しく行っていますか?
税務・財務


この記事の目次

消費税の重要性

皆さんは、国の租税収入の中で1番の税目は何かご存じでしょうか。
平成30年度の租税収入は59.1兆円のうち、1番の税収を上げているのが、消費税です。17.6兆円で租税収入に占める割合は29.7%にもなるのです。

2番目が源泉所得税の15.7兆円で法人税は度重なる減税のためか12.2兆円にとどまっているのです。(国税庁レポート2018年度版より)
現状でも租税収入の中で1番の税収を占めている消費税ですが、今年の10月には、消費税率8%から10%に増税されることになっていますので、益々消費税が税収に占める割合が高くなっていくことになります。

これまでの税務調査の中心は、法人税や所得税の調査が中心でした。消費税の調査はというと、法人税や所得税の調査と同時調査という形で補助的にやってきていた感じがありますが、今後は、消費税が税務調査の中心となることは想像に難くないのではないでしょうか。

帳簿への記載事項

法人が納めるべき消費税額を計算する方法は、簡単にいうと課税売上に係る消費税から課税仕入れに係る消費税を差し引いたものを納税するという制度になっています。 この課税仕入れに係る消費税を「仕入税額控除」と呼んでいますが、この仕入税額控除をするための要件というものが、消費税法で定められており、この規定を理解していない方が多く見受けられます。

仕入税額控除を適用するためには、帳簿に仕入税額控除するために記載しなければいけないものが次のとおり定められています。

①課税仕入れの相手方の氏名又は名称
②課税仕入れを行った日
③課税仕入れに係る資産又は役務の内容
④課税仕入れに係る支払対価の額


これらの項目を「帳簿」に記載していますか?

ここで勘違いされている方の多くが法人税法で規定されている「帳簿代用書類」と混同されているのです。
法人税法では、法定事項(上記の①~④の項目)を帳簿に記載することに代えて、これらの記載事項の全部又は一部が記載されている取引関係書類を整理・保存すること(帳簿代用書類)を認めているのです。

つまり、このような項目を帳簿に記載していなくても、それらの項目が記載された請求書などを整理・保存することが認められているので、帳簿にそこまで具体的に記載しなくても認められてきたという経緯があるのです。

しかしながら、消費税法では、この帳簿代用書類が、消費税法第30条第8項(仕入れに係る消費税額の控除)に掲げる帳簿として扱われないので、厳密にいうと仕入税額控除が認められないことになります。
また、近年の税務調査において帳簿への記載がないことを理由に仕入税額控除が否認されたケースが出てきていると聞いていますので注意が必要です。

2019年10月の消費税増税で変わること

2019年10月1日に消費税率が10%になることは有名ですが、この他にも区分記載請求書等の保存が義務づけられること(区分記載請求書等保存方式)はご存じでしょうか。
これは、消費税が10%に増税されることに伴い軽減税率が導入されることとなったためであり、この区分記載請求書等保存方式では、現行における帳簿及び請求書等に必要とされる記載事項に加え、次の事項を記載することが必要とされますので、注意が必要です。

帳簿:「軽減税率の対象品目である旨」

請求書等:「軽減税率の対象品目である旨」及び「税率ごとに合計した対価の額(税込み)」


このように区分記載請求書等保存方式が導入されるということは、課税事業者と取引をする場合には、この方式に合った請求書を発行しなければいけないことも念頭に置かなければいけない点になります。

まとめ

消費税の税収が増加することに伴い、消費税の重要性が益々高まり、税務調査の中心税目になる日もそう遠くないと思われます。
つまり、税務調査において消費税の処理が適正に行われているがどうかをチェックされる項目は増すものと思われます。
消費税を適正に申告するためには、日々の記帳を的確に行うことが重要になってきます。 今後の消費税の適正申告のためにも日々の記帳状況をチェックする機会を設けてはいかがでしょうか。

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