8月末が納期限!個人事業税とは
税務・財務


8月末は個人事業税の第1期の納付期限です。多くの個人事業主が個人事業税の対象であり、毎年事業上の利益がある個人事業主には馴染みのある税金ともいえます。
今回は、お馴染みの個人事業税について再度確認をしてみましょう。

この記事の目次


1.個人事業税の税率

個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業を営む人の所得に対して課税される税金です。現在、法定業種は70の業種があり、殆どの事業が該当します。
税率は業種ごとに異なり、3~5%です。法定業種と事業税率は以下の通りです。

区分税率事業の種類
第1種事業(37業種) 5% 物品販売業運送取扱業 料理店業遊覧所業
保険業船舶定係場業 飲食店業商品取引業
金銭貸付業倉庫業 周旋業不動産売買業
物品貸付業駐車場業 代理業広告業
不動産貸付業請負業 仲立業興信所業
製造業印刷業 問屋業案内業
電気供給業出版業 両替業冠婚葬祭業
土石採取業写真業 公衆浴場業(むし風呂等)
電気通信事業席貸業 演劇興行業
運送業旅館業 遊技場業
第2種事業
(3業種)
4%畜産業 水産業薪炭製造業
第3種事業(30業種) 5% 医業公証人業 設計監督者業公衆浴場業(銭湯)
歯科医業弁理士業 不動産鑑定業歯科衛生士業
薬剤師業税理士業 デザイン業歯科技工士業
獣医業公認会計士業 諸芸師匠業測量士業
弁護士業計理士業 理容業土地家屋調査士業
司法書士業社会保険労務士業 美容業海事代理士業
行政書士業コンサルタント業 クリーニング業印刷製版業
3% あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業
装蹄師業

東京都主税局より引用

2.個人事業税の計算方法

個人事業税は、所得税の確定申告を行うことで所得の情報が自治体で共有をされ、その情報を基に計算がされ、納付書が送付をされます。よって所得税の確定申告のように自身で計算をする必要はありませんが、納税資金の準備ためや資金繰りのために、おおよその税額は事前に判明していると良いです。

個人事業税は課税所得金額に税率を乗じて計算を行います。課税所得金額とは、所得税の課税所得金額とは異なるため注意が必要です。 課税所得金額は不動産所得、事業所得の合算に青色申告特別控除額を足し、繰越控除等と事業主控除を差し引いたものです。

①不動産所得、事業所得の合算

前年1年間に生じた事業所得と不動産所得を指します。事業の総収入金額から必要経費、青色申告特別控除額等を控除して計算します。所得税の確定申告書第1表及び青色申告決算書、収支内訳書の所得金額欄の金額と同一のものです。

②青色申告特別控除額

個人事業税には青色申告特別控除がないため、所得金額に加算をします。所得税の確定申告書にて申告した金額と同一のもので10万円又は65万円です。

③繰越控除等

繰越控除等には、損失の繰越控除、被災事業用資産の損失の繰越控除、事業用資産の譲渡損失の控除と繰越控除の3つがあります。 損失の繰越控除とは青色申告者が対象で、事業の所得が赤字となった場合に、翌年以降3年間、繰越控除をすることが出来ます。

被災事業用資産の損失の繰越控除とは白色申告者が対象であり、震災、風水害、火災などによって生じた事業用資産の損失の金額があるときは、翌年以降3年間、繰越控除をすることが出来ます。
譲渡損失の控除と繰越控除とは青色申告者が対象で、直接事業のために使用する機械や車両等を譲渡したために生じた損失額については、翌年以降3年間、繰越控除をすることが出来ます。

④事業主控除

控除額は、年間290万円であり、全ての人に共通する金額です。事業を営む期間が1年未満の場合は月割額が事業主控除の金額です。
端的にまとめますと、個人事業税額=(①+②-③-④)×個人事業税率です。

3.個人事業税が発生するのは所得が290万円超の人

上記の個人事業税額の計算方法において、事業主控除として290万円が控除を受けられることをご紹介致しました。この事業主控除は全ての個人事業主が受けることが出来るため、所得が290万円を超えない場合は、個人事業税が発生しないといえます。

よって殆どの事業が個人事業税の課税対象となりますが、事業主控除と比較し、所得が少ない人については個人事業税の課税はされません。

4.納期と納付方法

個人事業税の納付期限は第1期納付期限が8月31日、第2期納付期限が11月30日であり、この日が土日祝日に該当する場合は翌平日が期限です。よって2019年の第1期納付期限は9月2日月曜日、第2期納付期限は12月2日月曜日、2020年の納付期限は8月31日月曜日と11月30日月曜日、2021年の納付期限は8月31日火曜日と11月30日火曜日です。

上記の納付期限が原則ですが、所得税の修正申告をした場合、更正や決定が行われた場合、事業を廃止した場合等の特別な場合には、納付期限が異なり、納税通知書に記載されている納期限までに納める必要があります。

納付方法は、東京都の場合は窓口での支払いは金融機関、都税事務所、コンビニでの支払い、インターネットでの支払いはクレジットカード、ペイジーでの支払い、自動引き落としは口座振替での支払いが選択をすることが出来ます。
金融機関、都税事務所、コンビニでの支払いはいずれも領収書の受け取りが可能で、支払から納税証明書の発行が可能になるまでの期間は約1週間です。

クレジットカードでの支払いは領収書の受け取りが不可能で、支払から納税証明書の発行が可能になるまでの期間は約10日です。クレジットカード会社のポイント付与の対象となりますが、決済手数料が掛かります。

ペイジーでの支払いは領収書の受け取りが不可能で、支払から納税証明書の発行が可能になるまでの期間は約1週間です。ペイジー対応の金融機関のインターネットバンキング、モバイルバンキングに限り、利用することが出来ます。 口座振替での支払いは領収書の受け取りが不可能で、支払から納税証明書の発行が可能になるまでの期間は約1週間です。

領収書が受け取ることの出来ない納付方法でも、クレジットカード明細や金融機関の取引明細、通帳の記帳等で納付を行ったことの記録確認が可能です。 納付方法については、自治体によって対応している方法が異なる可能性があります。

5.個人事業税の減免

本人が生活扶助受給者や障害者である場合、扶養親族等が障害者である場合、 医療費の異常な支出があった場合、災害、盗難、横領による損害を受けた場合、事業不振により休業し、または廃業した場合、省エネルギー設備を取得した場合には、個人事業税の減免を申請することが出来ます。

減免を申請するためには、納期限内に減免申請書と、減免事由に該当をすることが証明することの出来る書類等を、都道府県税事務所に提出をする必要があります。
減免申請書の書式や提出書類等は自治体によって異なりますので、減免の申請をする際には各自治体のホームページ等で情報を確認する必要があります。

6.まとめ

個人事業税は事業上の利益が毎年ある個人事業主には馴染みのある税金ですが、個人事業を開始したばかりの人や、初めて所得が290万円を超える人には、いきなり納付書が送付をされることに驚くかもしれません。 またこれから事業を開始することを検討する人については、業種によって個人事業税の税率が異なるため、どの業種として開業届を提出するかも、個人事業税の存在の認識と共に検討が必要となります。

いずれにしても、個人事業税の知識を身に着けることで、おおよその税額が自身で把握できるようになり、資金繰りを考える際に役立つといえます。 ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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