8月末が納期限!個人の消費税の中間納付とは
税務・財務


8月末は個人の消費税の中間納付期限です。消費税の中間納付に該当する個人事業主の年間の納付回数は1回、3回、11回のいずれかですが、8月末は中間納付に該当する個人事業主に全ての人が納期限を迎えます。 今回は消費税の中間納付について確認をしてみましょう。

この記事の目次

1.消費税の納税義務

消費税の中間納付は、消費税の納税義務のある課税事業者が対象です。課税事業者に該当しない個人事業主には、確定申告での納付と共に中間納付もありません。 個人は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円超の場合、課税事業者に該当をします。基準期間とは原則として2年前の事業年度をさします。
また基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、平成25年1月1日以後に開始する年については、特定期間における課税売上高と給与等支払額がそれぞれ共に1,000万円を超えた場合は当課税期間から課税事業者となります。特定期間とは原則として前期の前半6ヶ月をさします。

つまり、原則では事業の創業から2年間は、基準期間が存在しないため、当期の課税売上高に関わらず免税事業者となりますが、特定期間には注意が必要です。
創業半年の間に課税売上高と給与等支払額が共に1,000万円を超える場合には、2年目から課税事業者に該当をします。 一般的には個人事業主が創業初年度より課税売上高が1,000万円超となることは少ないため、事業が軌道にのった数年後から課税事業者となり、かつ消費税の中間納付の義務が発生するようになります。

2.消費税の中間納付とは

消費税の中間納付とは、前年の申告した納税額が一定以上の場合に、仮で計算した金額を年の途中で納付する制度です。これは当年分の消費税の前払いであるため、中間納付すべき回数や金額による、個人事業主に対しての損得はありません。年に1回の納付によって個人事業主の一時的な金銭の負担が大きくなってしまうことを防ぐ、年の途中で納付をさせることで国が消費税の徴収漏れを防ぐ等の役割があります。

中間納付の金額は、前年の確定年税額をもとに計算します。この中間納付の合計額は当年の確定申告時に確定する消費税の年税額から差し引きを行い、残った金額が確定申告時の消費税の納付金額となります。
中間納付の合計額が、確定する消費税を上回る場合には、中確定申告時に還付を受けることができます。

例えば、中間納付の合計額が100万円であり、その後の消費税の確定申告時に確定した年税額が150万円である場合、差額である50万円が確定申告時に納付すべき金額であり、確定申告時に確定した年税額が70万円である場合、差額である30万円が還付として受け取ることが出来る金額です。

3.消費税の中間納付の対象者と納付期限

消費税の納税義務のある課税事業者のうち、前年の消費税の確定年税額の国税部分が48万円超の個人事業主が対象となります。 前年の消費税の確定年税額の国税部分が48万円超、400万円以下の個人事業主は年に1回、400万円超4,800万円以下の個人事業主は年に3回、4,800万円超の個人事業主は年に11回中間納付をする必要があります。

中間納付が年1回の個人事業主の納付期限は8月末日であり、この日が土日祝日に該当する場合は翌平日が納付期限となります。2019年は9月2日月曜日、2020年は8月31日月曜日、2021年は8月31日火曜日が納付期限です。

中間納付が年3回の個人事業主の納付期限は5月末日、8月末日、11月末日であり、中間納付が年11回の個人事業主の納付期限は5月末日以降1月末日まで毎月末日であり、5月末日のみ3ヶ月分を納付する必要があります。

4.中間納付の金額

中間納付の金額は、中間納付をすべき回数により計算方法が異なり、中間納付が年1回の場合は前年の消費税の年税額の約1/2、年3回の場合は約1/4、年11回の場合は約1/12の金額が中間納付すべき金額です。

例えば前年の確定年税額の国税部分が100万円である場合の中間納付の金額について計算方法をご紹介致します。 まず中間納付すべき消費税の国税部分を計算します。その金額は100万円を12で除して円未満を切り捨てた金額に、6を乗じ100円未満を切り捨てた49万9,900円となります。

次に中間納付すべき消費税の地方税部分を計算します。その金額は中間納付すべき消費税の国税部分である49万9,900円を63で除した金額に、17を乗じ100円未満を切り捨てた13万4,800円となります。

中間納付の回数等の判定は国税部分のみで行う方法をご紹介しましたが、中間納付の実際の納付すべき金額は国税と地方税の合計額です。 また上記の計算は消費税が8%の時点での計算を行っております。税率が変更されても、中間納付が年1回の場合は前年の消費税の年税額の約1/2、年3回の場合は約1/4、年11回の場合は約1/12の金額が中間納付すべき金額ということには変わりはありませんが、上記の計算結果の金額とはズレが生じる可能性があります。

実際の納付すべき金額は納付書に印字がされていることにより、個人事業主が自身で中間納付の際に納めるべき金額を改めて計算をする必要はありません。しかし確定申告書を提出した段階で翌年の中間納付の有無やその回数、金額を把握することが出来るため、あらかじめ計算をすることで翌年の資金繰りを計画する際に役立つといえます。

5.中間納付の方法

消費税の中間納付をすべき課税事業者に該当をする場合、原則としてその納付期日前に税務署より申告書と納付書が送付されます。また中間申告時に納付すべき金額も印字がされています。金額の印字がされていますので、申告書は事業所の住所やマイナンバー等を記載し、税務署に提出を行います。マイナンバーは申告書等を提出する際には毎回記載と本人確認書類の写しの添付又は提示が必要です。

また申告書と納付書は同時に郵送をされますが、納付を行えば申告書の提出は必須ではありません。納付は期日内に行うことが必須ですが、申告書の提出は申告期限が到来したと同時に未提出であっても、提出があったものとしてみなされます。

消費税の納付は金融機関、所轄の税務署での直接納付、e-Taxを利用したダイレクト納付を利用することが出来ます。

6.中間納付を失念した場合

消費税の中間納付をそれぞれの納期限までに納付をしない場合には、納期限の翌日から完納の日までの延滞税を併せて納付する必要があります。延滞税の割合は平成26年以降の現況で納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは年7.3%、納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後は14.6%です。この割合は年によって変更がある場合があります。

中間納付を失念した場合は、日が経つほど延滞税の金額は大きくなります。特に2ヶ月を経過すると延滞税率は倍になります。失念したことに気が付いた時点で早めに納付をすると良いでしょう。

7.まとめ

消費税の中間納付についてご紹介致しました。例年同じような取引規模で同回数の中間納付を行っている個人事業主には、例年通りのことであり、しっかりと納税資金の準備をなさっていることでしょう。
しかし初めて前年の消費税の国税部分が48万円を超える個人事業主や、取引規模が拡大し中間納付すべき回数が増える個人事業主などは、いきなり手元に送付される納付書、申告書に驚かれるかもしれません。また中間納付の存在を失念していると、資金繰りにも大きな打撃となります。

課税事業者の判定や、中間納付の有無、資金繰り等の消費税関係についてお困りの事がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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