令和元年10月から拡充!住宅ローン控除とは
税務・財務


令和元年10月より消費税の税率が8%から10%に引き上げがされます。これに伴い住宅の取得に係る消費税の負担も大きくなります。そのような負担の増加に対して、需要変動の平準化等の観点から、住宅の取得に対する税制上の支援策のひとつとして、住宅ローン控除の拡大が決定されました。

この記事の目次

1.住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は住宅借入金特別控除の通称であり、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、令和3年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。

2.住宅ローン控除の適用要件

個人が住宅を新築又は建築後使用されたことのない住宅を取得した場合で、住宅ローン控除の適用を受けることができるのは、以下の全ての要件を満たすときです。

①新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。なお、居住の用に供する住宅を2つ以上所有する場合、控除の適用対象は主として居住の用に供する1つの住宅に限られます。

②この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。

③新築又は取得をした住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

④10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務があること。

⑤居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用を受けていないこと。

3.住宅ローン控除の適用要件における床面積とは

上記2-③における床面積とは、いずれかの基準で判断を行います。

①床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。

②マンションの場合は、階段や通路等共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。

③店舗や事務所等と併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所等の部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。

④夫婦や親子等で共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。

ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分の床面積によって判断します。

4.住宅ローン控除の適用要件における一定の借入金又は債務とは

上記2-④における一定の借入金又は債務とは、銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先等からの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者等に対する債務です。

ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は0.2%に満たない利率による借入金はこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。
また、親族や知人からの借入金は全て、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

5.住宅ローン控除の控除期間、計算方法

住宅ローン控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します。 居住の等に供した年により控除期間は異なり、10年から15年と定められています。また控除額は年末残高に一定の率を乗じたものですが、この率も居住の等に供した年により異なり、1から0.4%と定められています。

6.住宅ローン控除を受けるための初年度の手続き

住宅ローン控除を受けるための手続きは、控除を受ける初年度と次年度以降で手続きが異なります。初年度は確定申告書を作成し、税務署に提出を行う必要があります。

確定申告書を作成、提出を行う際に必要な書類は以下のものです。

①敷地の取得に係る住宅借入金等がない場合

・特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

・家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等で、家屋の新築又は取得年月日、家屋の取得対価の額、家屋の床面積が50㎡以上であることが分かる書類

②敷地の取得に係る住宅借入金等がある場合

上記①に加えて以下の書類が必要です。

・敷地の登記事項証明書、売買契約書の写し等で敷地の取得年月日及び取得対価の額を明らかにする書類

・家屋の新築の日前2年以内に購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等がある場合は、金融機関、地方公共団体又は貸金業者からの借入金は家屋の登記事項証明書等で、家屋に一定の抵当権が設定されていることを明らかにする書類、その他の借入金は家屋の登記事項証明書等で、家屋に一定の抵当権が設定されていることを明らかにする書類

・家屋の新築の日前に3か月以内の建築条件付きで購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等がある場合は、敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において3か月以内の建築条件が定められていることなどを明らかにする書類

・家屋の新築の日前に一定期間内の建築条件付きで購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等がある場合は、敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において一定期間内の建築条件が定められていることなどを明らかにする書類



7.住宅ローン控除を受けるための次年度以降の手続き

住宅ローン控除を受け始めた次年度以降は、確定申告を行う際に特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算明細書と、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書のみを添付することで、住宅ローン控除を受けることが出来ます。

給与所得者であり、勤務先で年末調整を受けることが出来る人については、税務署から送付される年末調整のための特定増改築等住宅借入金等特別控除証明書、給与所得者の特定増改築等住宅借入金等特別控除申告書、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書を勤務先に提出を行うことで、本人に代わって勤務先が住宅ローン控除を適用した所得税の精算を行うため、本人の確定申告は不要となります。

8.令和元年10月以降の住宅ローン控除の拡大点

平成26年1月1日から令和元年9月30日までに居住の等に供した住宅についての住宅ローン控除の控除期間は10年間ですが、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの居住の等に供した住宅についての住宅ローン控除の控除期間は13年となり、3年間延長されました。

控除期間の10年目までは、令和元年9月30日までに居住の等に要した住宅と同様に、借入金の年末残高に1%を乗じた額が控除額となります。 以降の11年目から13年目までは、上限5,000万円までの年末残高に1%を乗じた額と住宅取得等の対価の額から上限5,000万円までの消費税額を差し引き、それに2%を乗じさらに3で割った額との、いずれか少ない額が控除額となります。
またこの措置による個人住民税の減収額は、全額国費で補塡するとされています。

9.まとめ

住宅ローン控除の内容と、令和元年10月からの拡大点をご紹介致しました。消費税の増税に伴い本体価格が同じ場合は、住宅の購入価額は値上がりし負担が大きくなりますが、住宅ローンの拡大によりその負担は減少すると考えられます。

住宅ローンの拡大は令和2年12月31日までの居住の等に要した住宅について適用がされ、令和3年1月1日には令和元年9月30日までと同様の内容の住宅ローン控除となります。近年中に住宅を取得する予定のある方は、令和2年内に居住すると良いでしょう。

上記の内容や、住宅ローン控除や確定申告の方法等、ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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