繰延資産とは?内容と仕訳を確認!
税務・財務


繰延資産とは、その支出の効果が1年以上に及ぶ資産のことです。平成18年に公表をされた「繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い」では、繰延資産として株式交付費、社債発行費等、創立費、開業費、開発費が挙げられています。 これらの繰延資産の会計処理について確認をしましょう。

この記事の目次

1.株式交付費

株式交付費とは、新株発行や自己株式の処分のためにかかった費用等をさします。 原則は支出時に営業外費用として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。
繰延資産に計上をした場合は、株式交付のときから3年以内のその効果の及ぶ期間に渡って定額法により償却をします。

2.社債発行費等

社債発行費等とは、社債を発行するために支出した費用等をさします。社債発行費等は社債発行費と新株予約権発行費で会計処理が異なります.

①社債発行費

原則は支出時に営業外費用として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。
繰延資産に計上をした場合は、社債の償還までの期間に渡り利息法により償却をします。利息法に代えて継続適用を条件として定額法を採用することも出来ます。

②新株予約権発行費

原則は支出時に営業外費用として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。
繰延資産に計上をした場合は、新株予約権の発行のときから3年以内のその効果の及ぶ期間に渡って定額法により償却をします。

3.創立費

創立費とは、会社設立のために必要な費用をさし、会社設立の登記をする際の登録免許税や、定款作成の費用等が創立費に該当をします。
原則は支出時に営業外費用として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。 繰延資産に計上をした場合は、会社の成立のときから5年以内のその効果の及ぶ期間に渡って、定額法により償却をします。

4.開業費

開業費とは、会社設立から実際に事業を開始するまでのあいだにかかった費用をさし、広告費、名刺作成費などが開業費に該当をします。
原則は支出時に営業外費用として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。 繰延資産に計上をした場合は、開業のときから5年以内のその効果の及ぶ期間に渡って、定額法により償却をします。

5.開発費

開発費とは、新技術の開発や新市場の開拓などにかかった費用をさします。
原則は支出時に売上原価又は販売費及び一般管理費として処理を行いますが、例外として繰延資産に計上をすることが出来ます。 繰延資産に計上をした場合は、支出のときから5年以内のその効果の及ぶ期間に渡って、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却をします。

6.仕訳例

市場の開拓のために広告宣伝として開発費を支出、またそれの償却をした場合の仕訳をご紹介致します。繰延資産の償却は、他の減価償却資産と混同しないように、その勘定科目の名称は○○費(繰延資産名)償却、とすることと、直接法で繰延資産の帳簿価格を減少させることに特徴的があります。

・期首である8/1に開発費10,000円を支出し、繰延資産として計上する場合
8/1 開発費10,000/現金預金10,000

・期末である9/30に、開発費を5年間で償却する場合
9/30 開発費償却2,000/開発費2,000

7.まとめ

以上のように繰延資産について紹介致しました。いずれの繰延資産も支出時に費用として計上することが原則ではありますが、支出が多額になりがちであることから、支出時の年度のみに費用負担をさせると、支出時年度のみ大赤字になり損益計算書の見栄えが悪くなる、他の支出をしていない年度との損益計算書の比較が難しい等の問題があります。

このような問題により、例外として繰延資産に計上をしている場合があり、例外の処理方法でありながら、繰延資産に計上をする処理が一般的である会社も多くあります。
上記の内容についてご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧めいたします。

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