キャッシュレス、ポイント還元事業の対象事業者になるためには?メリットとデメリットも解説します。
税務・財務


2019年10月1日から経済産業省によるキャッシュレス、ポイント還元事業が開始されました。既にこの事業は開始されていますが、2020年4月末日までの申請であればこの事業に参加することが出来ます。
今回はこの対象事業者になるための手続きやメリット、デメリットをご紹介致します。

この記事の目次

1.キャッシュレス、ポイント還元事業の概要

①キャッシュレス、ポイント還元事業とは

消費税率引上げ後の消費喚起とキャッシュレス推進の観点から、2019年10月1日2020年6月20日までの9カ月間実施される中小規模事業者向けの支援制度です。

対象となる中小規模事業者は、キャッシュレス化するに当たり、決済手数料補助、端末導入のための補助等支援が受けることが出来ます。また、キャッシュレスにより決済を行った消費者へのポイント還元の原資も国が負担します。

②ポイント還元の内容

中小規模事業者は加盟店手数料が実質2.17%以下、決済端末の導入に際して必要となる負担は0円、消費者へのポイント還元率は5%です。 フランチャイズチェーンやガソリンスタンド等は加盟店手数料や決済端末の導入に際して必要となる負担への支援は無く、消費者へのポイント還元率は2%です。

③対象事業者

キャッシュレス、ポイント還元事業の対象事業者は中小規模事業者です。具体的には、製造業、その他の事業の場合は資本金の額が3億円以下又は常時使用する従業員の数が300人以下の事業者、卸売業の場合は資本金の額が1億円以下又は常時使用する従業員の数が100人以下の事業者、小売業の場合は資本金の額が5,000万円以下又は常時使用する従業員の数が50人以下の事業者、サービス業の場合は資本金の額が5,000万円以下又は常時使用する従業員の数が100人以下の事業者です。

上記を満たしていても、確定をしている直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小規模事業者は対象外です。

2.事業に参加するための手続き

①キャッシュレス決済事業者を選ぶ

キャッシュレスの決済手段にはクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード等の様々な方法があり、それぞれに多くの決済事業者があります。 決済事業者毎に決済手数料、売上入金時期、対応可能な決済端末が異なるため、決済事業者のホームページ等で確認を行いながら選定を行います。

②決済事業者経由で事業参加を申し込む

決済事業者を経由して、キャッシュレス、ポイント還元事業への加盟店登録を行います。複数の決済事業者と契約をしている場合は、それぞれ決済事業者経由で申請が必要であり、また最初に申請を行った決済事業者経由で発行をした加盟店IDを他の決済事業者に共有をします。

加盟店登録申請の際には、決済事業者から申請情報の第三者提供への同意や開業届や納税証明書等の営業の実態を確認できる書面の提出を求められる場合があります。また、個人事業主の場合は、営業の実態を確認できる書面の提出が必ず求められます。また業種によっては許可証や免許証の提出が必要であり、具体的には不動産業の場合は宅地建物取引業者免許証、飲食業の場合は飲食店営業許可等です。

③加盟店登録の完了

事業参加を申し込み後、決済事業者内で審査が行われ、加盟店登録申請手続きが行われます。その情報を基に国が事業者毎の加盟店IDを発行し、そのIDを受けて再び決済事業者が国に契約サービス情報等の必要情報を国に提出し、国が加盟店登録審査を最終的に行います。この審査を通過後、加盟店登録が完了をします。

決済事業者によって異なりますが概ね2ヶ月以内に加盟店登録が完了し、キャッシュレス、ポイント還元事業の対象事業者としてキャッシュレス決済を利用することが出来るようになります。

加盟店登録が完了をすると、と、ポスターやステッカーなどの店頭用広報キットが各事業者に届きます。これを消費者が視認できる場所に掲示します。また、キャッシュレス、ポイント還元事業のホームページや地図アプリでも店舗名、住所、電話番号、還元率、対象決済手段等の事業者情報が掲載されるようになります。

3.キャッシュレス、ポイント還元事業に参加をするメリット、デメリット

①メリット

会計時の手間が少なくなる

現金決済と比較をすると、キャッシュレス決済は事業者の会計時の手間が少なくなります。小銭を探す消費者や割り勘を計算する消費者等による会計時の時間的負担が削減されると共に、つり銭の渡し間違え等のトラAブルも軽減されます。

売上の管理がし易い

現金決済時に使用をするPOSレジの利用により売上の電子的記録は行うことが出来ますが、レジ操作による人為的な売上入力ミスは生じる可能性があります。一方でキャッシュレス決済は現金決済と比較をすると人為的なミスが生じにくくなり、売上に関する記録を電子的に正しく記録することが出来ます。

金庫内の管理がし易い

現金決済のためにはつり銭として営業前にあらかじめ小銭を用意する必要があります。また営業後には売上がレジや金庫内に保管され、それが正しいものであるか精査をする必要があります。一方でキャッシュレス決済はつり銭が必要無く、また売上金額をレジや金庫で保管する必要がありません。
よって営業後の現金残高の精査が少なく、また多額の現金を事業所内におかなくてすむようになることから、防犯の面でも優れています。

売上が上がる可能性がある

決済方法が現金決済のみの事業者がキャッシュレス決済を導入することで、決済手段が豊富になり、利用する消費者層が広がると考えられます。今までキャッシュレス非対応のために利用をしなかった消費者層を取り込むことが出来ます。

またキャッシュレス決済によるポイントの還元額は売上に対しての一定の料率で行われ、消費者は多くの金額を支払うほど多くなる仕組みです。その還元額のお得感により消費者一人当たりの支払金額も増加する可能性があります。

キャッシュレス、ポイント還元事業のホームページに事業者情報が掲載される

事業者情報を無料でインターネット上に公開をすることが出来ます。経済産業省が公開する情報であるため、広告代を負担することなく信頼のされる広告として利用をすることが出来ます。

②デメリット

災害時は対応が出来ない

近年頻発する自然災害により電気通信が途絶えた場合、キャッシュレス決済は使用することが出来ません。電気通信が途絶えた場合は営業そのものも難しくなる事業者が多いと考えられますが、災害時には現金決済が役に立ちます。

キャッシュレス決済導入の手間が増える

キャッシュレス決済により会計時の手間は少なくなりますが、導入時には加盟店登録の手続きの他に、消費者対応をする従業員への指導が必要となります。

個人情報の流出の可能性がある

キャッシュレス決済により支払いに必要な電子的データのやり取りが行われますが、その際に目には見えない形ではありますが、個人情報を一時的に事業者は預かることになります。
この個人情報の取り扱いは厳重に注意すべきですが、何らかのトラブルにより流出がすることも想定されます。個人情報を流出させたとなると信用を失い集客が難しくなる等、その後の営業は非常に難しくなります。

4.まとめ

キャッシュレス、ポイント還元事業の対象事業者になるための手続きやメリット、デメリットをご紹介致しました。この事業内容は多くの消費者にも広く知れているため、事業者は参加することで売上増加等のメリットを多く感じられることでしょう。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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