令和2年度以降、順次マイナポータルの活用により確定申告の手続きを簡素化することが出来るようになります。今回はマイナポータルによりどのように確定申告の手続きが変化をするのかをご紹介致します。
1.マイナポータルとは
マイナポータルとは政府が運営をするオンラインサービスです。行政機関や民間企業が持つ個人的な情報についてマイナンバーを通じてマイナポータルに集約をして、その情報を有効活用しようとするものです。これまでは住民票コード、基礎年金番号、医療保険被保険者番号等のそれぞれの行政機関や民間企業で個別の番号が付与されて個人情報を別々に管理していました。
別々の番号ではなく、同一のマイナンバーにより情報の管理をすることで、行政機関や民間企業は情報の往来や紐づけが容易になること、マイナンバーを付与される個人は情報の管理が各々の行政機関や民間企業に問い合わせるのではなくマイナポータルを確認することにより一括で行えるようになることが期待をされています。
現行のマイナポータルを利用するためには、利用者証明用電子証明書を搭載したマイナンバーカードとマイナポータルにアクセスをするためのパソコンやスマートフォン、また電子証明書を読み取るデバイスが必要です。
2.マイナポータルを活用した確定申告
確定申告の手続きは、マイナポータルの活用により以下のように簡素化される予定です。現状 | 簡便化後 | ||
---|---|---|---|
納税者 | 控除証明書等 | ・書面(ハガキ等)で受け取り ・必要な時期まで保管(紛失した場合、再発行を依頼) |
・控除申告書作成の際にデータで一括取得 |
確定申告書 | ・手作業で作成 | ・所定の項目に自動入力 |
※国税庁ホームページより引用
このように、マイナポータルにより保険料控除等の情報の取得、確定申告書への入力が簡素化される予定となっています。
現行で発表されている情報は控除証明書等についてのみですが、今後も様々な確定申告に必要な情報の取得や入力が簡素化されることが期待されています。
3.確定申告でマイナポータルを活用するための手続き
現行でマイナポータルを利用していない人が、確定申告にてマイナポータルを活用するためには、以下の手続きが必要です。①マイナンバーカードの取得及び読取機器の準備
現行のマイナポータルを利用したい場合と同様に、利用者証明用電子証明書を搭載したマイナンバーカード、マイナポータルにアクセスをするためのパソコンやスマートフォン、また電子証明書を読み取るデバイスを準備します。②マイナポータルの開設
マイナポータルにアクセスをし、利用者登録をします。パソコンであればサイトへのアクセス、スマートフォンであればアプリケーションのインストールを行います。サイトやアプリケーションの指示に従って登録を行います。③マイナポータルと民間送達サービスの連携
マイナポータルを活用して保険会社等から電子データを取得するためには、民間送達サービスを利用します。民間送達サービスとは電子データをインターネット上で受け取ることが出来る民間企業のサービスです。マイナポータル内の操作により、民間送達サービスのアカウントを開設します。連携方法やマイナポータルへの対応時期は民間企業ごとに異なります。
④保険会社等へ民間送達サービスのアカウントの登録
マイナポータル内の操作と共に、情報を提供する側である保険会社等の民間企業でのアカウントの登録をします。こちらの手続き方法も、民間企業ごとに異なります。
4.まとめ
以上のように令和2年度以降の確定申告は、マイナポータルを活用することにより簡素化される予定となっています。その後もマイナポータルにより確定申告のみならず税に関する手続きが簡素化されることでしょう。今後もマイナンバーの活用方法には注目です。ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
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