税務調査で焦らないために ! 税務処理のポイントを交際費、寄付金の観点から解説
税務・財務


この記事の目次

交際費における税務特有のリスク


さて、今回は「税務特有のリスク」についてお伝えします。税務特有のリスクは、税務調査で突然顕在化するので注意する必要があります。

税金というのは、基本的な構造上、「担税力」があるから税金がかかってくるようになっています。つまり、「儲かった=税金を払う」という構図です。しかし、税務にはややこしい規定がたくさんあって、この基本的な構図が崩れる場合があります。その典型例の1つが「交際費」です。

交際費というと、取引先と飲み食いをした場合に接待交際費になって、課税を受ける可能性があることは知っている方も多いはず。

しかし、税務上の交際費なる規定はかなり範囲が広いのです。相手方の歓心(関心)をかうような行為はすべて交際費とされてしまいます。

例えば、自社の名前を入れて取引先にゴルフボールを配るような場合、これは広告宣伝費になりますが、相手方の名前を入れてあげて、ゴルフボールを作れば、これは交際費とされてしまうのです。

これは、相手方の名前を入れたゴルフボールを作ることで相手方の歓心(関心)をかおうとしているもので、飲みにつれて行くのと同じだという考えです。

社長としては当然経費になるだろうと思ってしていたことが、税務調査でいきなり、「これは交際費なので、全額は経費(損金)にはなりませんね」と言われ、追徴税額が発生するのですから、リスクでしかありません。

税務上の交際費を書き始めるとキリがありませんので、支出が交際費なるのかその他の経費になるのかは、国税庁のホームページで確認することができます。ぜひ参考にしてください。

交際費等と広告宣伝費との区分
交際費等と福利厚生費との区分
交際費等と寄附金との区分

寄付金における税務特有のリスク


税務調査で顕在化しやすい税務特有のリスクは、交際費以外にも、社長(会社)が何も意識していなくても経費(損金)にならないというものがあります。それは「寄付金」です。

寄付金と聞くと、「うちは会社で寄付なんかしてないよ」と思われるでしょうが、税務上の「寄付金」は違います。簡単に説明すると、法人税法上の寄付金とは、

・タダであげる
・本当の金額よりも安くしてあげる

ような行為全般を指しています。

怖ろしいことに、税務上の「寄付金」と認定されると、経費(損金)にならないどころか、タダでもらった・安く受取った相手方にも税金がかかります。実務上はよく親子・関連会社で起るので、わかりやすいケースで説明しましょう。

親会社が買ったときの値段で1億円の土地を持っています。今は土地が値下がっていて、土地の時価が7000万円とします。子会社に7000万円(時価)で売れば、3000万円の売却損を計上することができて、節税になるのですが、ここまでは問題ありません。(少なくとも「寄付金」の問題にはなりません)

ここで社長が色気を出して、「もっと土地を安く売ればもっと節税できる!」と思い、3000万円で子会社に売却したとしましょう。時価は7000万円ですから、3000万円で売ると4000万円分が寄付金と言われるのです。誰に対する寄付か?もちろん子会社に対してです。

このような場合、4000万円のうちほとんどは経費(損金)にできないばかりか、子会社に受贈益として同じく4000万円分が課税されます。

このようなケースではなくても、親会社と子会社が同じスペースに入っていて、親会社の名義で事務所を借りているとしましょう。子会社は親会社に使用している面積分の家賃を支払うべきなのですが、支払っていないと、親会社の子会社に対する「寄付金」として、受取っていない家賃分について税金がかかるのです。

ただ家賃を取っていないだけで余計な税金がかかるのですから怖ろしいことです。実際には儲かっていなくても税金が課される、そのほとんどは税務調査で顕在化するのですから、いかに税務調査が怖いものかおわかりいただけると思います。

交際費と合わせて、寄付金と調査官に言われないよう、普段から税務処理には気をつけなければならないのです。

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