新型コロナウイルスにより引越しが出来ない場合、令和2年分住宅ローン控除は受けられるの?
税務・財務


新型コロナウイルス感染症の影響により移動に制限がある中では、引っ越しも難しいものとなっていることでしょう。住宅を購入し住宅ローンを組んだ方は、住宅ローン控除の適用要件である、居住要件を満たせないことに不安を感じることもあるかもしれません。
今回はそのように新型コロナウイルス感染症の影響によりお困りの方に向けて、令和2年分住宅ローン控除の適用についてご紹介致します。

この記事の目次

1.住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、一定の要件を満たした場合に、その住宅ローンの年末残高に応じて、所得税の減額を受けることが出来ます。 一定の要件とは、下記を満たすものです。

①新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

②この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。

③新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

④10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務があること。
一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。

⑤居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用を受けていないこと。


2.住宅ローン控除の控除期間と控除額

住宅ローン控除の控除期間と控除額は、入居を行った年月日によって異なります。これはその時々の社会情勢に合わせて変化をするものです。

入居年月日が平成26年1月1日から令和元年9月30日までの場合は、控除期間は10年、控除額は住宅ローンの年末残高の1%です。

入居年月日が令和元年10月1日から令和2年12月31日まで、かつ住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合の場合は、控除期間は13年、控除額は10年目までは住宅ローンの年末残高の1%、11年目からは除限度額年末残高の1%又は住宅取得等対価の額から消費税額を差し引いた金額の2%を3で除した金額とのいずれか少ない金額です。これは消費税増税による特別措置とされています。

入居年月日が令和元年10月1日から令和2年12月31日まで、かつ住宅の取得等が特別特定取得に該当しない場合は、控除期間は10年、控除額は住宅ローンの年末残高の1%です。

入居年月日が令和3年1月1日から令和3年12月31日までの場合は、控除期間は10年、控除額は住宅ローンの年末残高の1%です。

3.新型コロナウイルス感染症の影響で期限内に入居することが出来ない場合

住宅ローン控除の適用要件には、新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること、というものがあります。
新型コロナウイルス感染症の影響によりこの要件が満たせない方のために、措置がとられることとなりました。

①既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件について、取得後に行った増改築工事等が新型コロナウイルス感染症の影響により遅れ、入居が遅れた場合


下記の両方の要件を満たしていれば、入居期限が増改築等完了の日から6ヵ月以内となります。

・既存住宅取得の日から5ヵ月後まで又は関連税制法の施行の日から2ヵ月後までのいずれか遅い日までに増改築等の契約が行われていること。
・取得した既存住宅に行った増改築等について、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響によって、増改築等後の住宅への入居が遅れたこと。


例えば、令和元年10月末に既存住宅を取得した場合、本来の住宅ローン控除を利用するためには、令和2年4月までに入居をすることが要件となります。しかし新型コロナウイルス感染症の影響により増改築が令和2年5月に遅れた場合は、令和2年11月までの入居により、住宅ローン控除を利用することが出来るとしています。

②住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置について、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が期限に遅れた場合


下記の両方の要件を満たしていれば、住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置の対象となる入居年月日が令和3年12月31日までに延長されます。

・注文住宅を新築する場合は令和2年9月末に分譲住宅や既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合は令和2年11月末までに契約が行われていること。
・新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと。


例えば、令和2年9月に注文住宅の契約を行った場合、本来の住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置を利用するためには、令和2年12月31日までに入居をすることが要件となります。
しかし新型コロナウイルス感染症の影響により入居が遅れた場合は令和3年12月31日までの入居により、住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置を利用することが出来るとしています。

4.住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続

住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続は初年度と2年目以降で異なります。今回は新型コロナウイルス感染症の影響により引越しが出来ないことにお困りの方に向けてのご紹介ですので、初年度の手続きをご紹介致します。

①通常の住宅ローン控除の場合

住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書、家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等を添付して税務署に確定申告書の提出を行います。添付書類はその住宅の種類によって異なりますので、確認が必要です。

新型コロナウイルス感染症の影響等による特例措置が無い限り、確定申告書の提出期限は例年、住宅ローン控除を適用する年の翌年3月15日です。

②新型コロナウイルス感染症の影響により入居が遅れた場合

上記の通常の住宅ローン控除の場合に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が遅れたことを示す書類が必要です。
入居が遅れたことを示す書類とは、入居時期に関する申告者兼証明書です。

既存住宅の取得後に増改築等を行った場合の申告書兼証明書、要耐震改修住宅の取得後に耐震改修を行った場合の申告書兼証明書、控除期間13年間の特例措置の適用に関する申告書兼証明書と、それぞれ書式が異なりますので、自身の状況にあった書類の確認が必要です。

申告書健証明書は契約業者に作成を依頼し取得する必要がありますので、確定申告期限に余裕をもって準備を進めるようにします。
こちらの確定申告書の提出期限も、通常の住宅ローン控除の場合と同じく、新型コロナウイルス感染症の影響等による特例措置が無い限り、確定申告書の提出期限は例年、住宅ローン控除を適用する年の翌年3月15日です。

5.まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響によりお困りの方に向けた、住宅ローン控除の弾力化の措置についてご紹介致しました。
住宅ローンを組む際は返済計画と共に、住宅ローン控除による所得税の減税効果についても予測をしてローン金額を決定していることでしょう。要件を満たさないと予測と大きく外れた所得税の負担が生じる可能性がありますので、よくご確認のうえご利用ください。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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