コロナ融資が決定したら要確認!借入金に係る会計処理
税務・財務


新型コロナウイルス感染症の影響により、資金繰りが難しくなり融資の申し込みをされた事業者の方もいらっしゃることでしょう。
このように融資金額が入金された場合やその融資金額を返済する場合、決算時にどのような会計処理をすれば良いのか ご紹介致します。

この記事の目次

1.融資金額が入金された場合の会計処理

融資の申し込みをされて、その審査が通り融資金額が預金に振り込まれた場合、多くの場合は融資金額総額から手数料等を差し引いて、預金に振り込まれます。 手数料等には、信用保証協会付き融資を受けた場合の信用保証料、収入印紙代、融資における事務手数料、送金手数料等、利用する金融機関との契約により異なります。

手数料等が差し引かれない場合と、差し引かれる場合とで会計処理の方法は異なります。例えば返済期間が3年、融資金額が360万円、信用保証料等が9万円の場合は、下記のように仕訳を行います。

①手数料等が差し引かれない場合

預金360万円/長期借入金360万円

②手数料等が差し引かれる場合

預金351万円 /長期借入金360万円
長期前払費用9万円/

2.手数料等の勘定科目

上記の例では信用保証料について差し引かれたため、長期前払費用という勘定科目を用いていますが、差し引かれる手数料等の内容により用いる勘定科目は異なります。それぞれ用いるべき勘定科目は、下記のとおりです。

①信用保証協会付き融資を受けた場合の信用保証料…長期前払費用
②収入印紙代…租税公課
③融資における事務手数料、送金手数料…支払手数料
④日本政策金融公庫で融資を受けた場合の団信保険特約料…保険料
⑤信用金庫の会員、信用組合の組合員になるために支払った出資金…出資金
⑥初回返済分の利息…支払利息


3.融資金額を返済する場合の会計処理

融資金額は金融機関から発行される返済予定表に沿って、元金と利息を返済します。1回の返済元金が3万円、利息が100円の場合は、下記のように仕訳を行います。
長期借入金3万円/預金3万100円
支払利息100円

4.決算時の会計処理

①融資金額未返済残高の確認

上記のように仕訳を行っていくと、長期借入金残高は、未返済残高と同じ値になります。長期借入金は貸借対照表科目であることから、その残高に当期末の決算開始時に相違があると、翌期以降も相違のある残高で推移をしてしまうため、毎期末の決算開始時に返済予定表上の残高と突合をする必要があります。

上記1、3の例の場合では、決算開始時の長期借入金残高は360万円から3万円×12ヶ月分の返済済みの金額を差し引いたものとなり、324万円が正しいものとなります。

②短期借入金への振替

長期借入金と短期借入金の違いは返済期限にあり、返済期限が1年を超えるものが長期借入金、返済期限が1年以内のものが短期借入金に該当をします。

上記1の融資金額が入金された時点では全額を長期借入金と仕訳を行いましたが、期末時点で向こう1年に支払うべき3万円×12ヶ月分の長期借入金残高は、短期借入金に振替をします。この場合は下記のように仕訳を行います。
長期借入金36万円/短期借入金36万円

実務上ではその時点の未返済残高を貸借対照表から読み取るにあたり短期借入金と長期借入金を合算しないと分からないという不便さにより、この振替を行わない場合もあります。

③長期前払費用の費用化

長期前払費用は、当期に該当する部分のみを費用に振替をする償却の仕訳を決算時に行います。長期前払費用に該当する信用保証協会付き融資を受けた場合の信用保証料は、その支払い時点のみに効力を発揮するものでは無く、借入期間全体において効力を発揮するものであることから、各期に按分をして費用化させる必要があります。

上記1の返済期間が3年に対して支払った信用保証料等9万円は、下記のように仕訳を行い当期の費用を計上します。
支払手数料3万円/長期前払費用3万円

6.まとめ

上記のように、コロナ融資が決定をした場合には、融資金額が入金された場合やその融資金額を返済する場合、決算時とそれぞれの時点で会計処理が必要となります。ご参考になさってください。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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