新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の経営成績が思うようにいかずに、持続化給付金等を受けても、存続が難しい個人事業者の方もいることでしょう。場合によっては廃業を選択せざる得ない状況にある方もいらっしゃるかもしれません。
今回は個人事業主が廃業をする際にやるべきことをご紹介致します。
この記事の目次
1.廃業を決めたらやるべきこと
廃業をすることを決定した際には、完全に廃業をする前に、取引先等に周知を行います。取引先等に残っている売掛金や買掛金の精算等、取引先とは早い段階で周知をすることで廃業にあたって生じうる問題を回避することが出来ます。また商取引のある取引先のみならず、周囲に対して挨拶や報告等も行うと、また開業しようとする際や廃業後の地域での生活において、やりやすい環境になることでしょう。
このように廃業をすることを決定した後は、問題なく廃業をするための準備が必要です。ゆとりをもって廃業日を決めるようにしましょう。
そして準備が整って完全に廃業をするためには、廃業届の提出等の手続きが必要になります。
2.廃業届等の提出
完全に廃業をするためには、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、「事業廃止届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出と、都道府県事務所への都道府県税事務所への廃業の届け出が必要です。3.税務署に提出するもの
2の届出のうち、税務署に提出をするものは、「個人事業の開業・廃業等届出書」、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、「事業廃止届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」です。①個人事業の開業・廃業等届出書
事業を廃止したことを税務署に知らせるための書類です。事業の廃業から1ヶ月以内に提出をする必要があります。②所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告を行っていた個人事業主が、廃業と共に青色申告の適用を受けることをやめるための書類です。青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日までに提出をする必要があります。③事業廃止届出書
消費税の課税事業者が事業を廃止したことを税務署に知らせるための書類です。事業の廃業後速やかに提出をする必要があります。 この他に、課税事業者のうち課税事業者を選択している場合には、「消費税課税事業者選択不適用届出書」、簡易課税を選択している場合には「消費税簡易課税選択不適用届出書」、課税期間の特例を選択している場合には「消費税課税期間特例選択不適用届出書」、任意の中間申告制度を適用している場合には「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」を併せて提出をする必要があります。④給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
事業者が給与を支払っていた場合に、給与を支払っている事業所を廃業したことを税務署に知らせるための書類です。事業の廃業から1ヶ月以内に提出をする必要があります。4.都道府県税事務所に提出するもの
2の届出のうち、都道府県税事務所に提出をするものは、廃業の届け出です。この様式や届け出の名称は都道府県ごとに異なり、例えば東京都の場合は、「事業開始(廃止)等申告書」、大阪府の場合は、「事業開始・変更・廃止申告書」とされています。いずれも事業を廃止したことを都道府県税事務所に知らせるための書類ですが、様式や提出期限は各都道府県のホームページ等にて確認をする必要があります。
5.まとめ
以上のように、廃業を決めたらまずは周知を行い滞りなく事業を廃止する準備を進め、その後は手続きとして税務署と県税事務所にそれぞれ廃業を知らせるための書類の提出が必要です。ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
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