2020年度の確定申告より、源泉徴収票の添付が不要になり、確定申告手続きが簡素化されました。添付をしない情報は、国税局が他の添付書類や行政機関間の情報連携等で記載事項の確認が行われます。
今回はこの源泉徴収票をはじめとする確定申告における添付不要になった書類をご紹介致します。
- 1.確定申告における添付不要となった書類
- 2.源泉徴収票が添付不要になったことで注意をしたいこと
- 3.給与を受け取っている人のうち確定申告が必要な人
- 4.年金を受け取っている人のうち確定申告が必要な人
- 5.確定申告を行った方が良い人
- 6.まとめ
1.確定申告における添付不要となった書類
2020年度の確定申告より添付不要となった書類は下記のものです。
①給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
②オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書
③配当等とみなされる金額の支払通知書
④上場株式配当等の支払通知書
⑤特定口座年間取引報告書
⑥未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
⑦特定割引債の償還金の支払通知書
⑧相続財産に係る譲渡所得の課税の特例における相続税額等を記載した書類
2.源泉徴収票が添付不要になったことで注意をしたいこと
上記の書類が添付不要となりましたが、その中でも最も該当者が多いのが①の源泉徴収票です。会社に所属し給与を受け取っている給与所得がある人、国民年金等を受取っている雑所得のある人が、勤務先又は年金運用団体から源泉徴収票を受け取ることが出来ます。源泉徴収票が添付不要になったことで、その源泉徴収票そのものが不要となるものではありません。給与や年金を受け取っている人が確定申告をする際には、その源泉徴収票の情報を基に確定申告書を作成する必要があります。
添付不要になったからといって、源泉徴収票を受取らなくて良い、破棄して良い、ということではありませんので、大切に保管するようにしましょう。
3.給与を受け取っている人のうち確定申告が必要な人
源泉徴収票の確認が必要となる、給与所得者で確定申告が必要な人とは、各種の所得の合計額から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額、所得金額に税率を乗じた所得税額から、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた住宅借入金等特別控除額を差し引いてなお残額があり、下記のいずれかに該当をする人です。
①給与の収入金額が2,000万円を超える
②給与を1ヶ所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額の合計額が20万円を超える
③給与を2ヶ所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額との合計額が20万円を超える
④同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗工場などの賃貸料、機械器具の使用料などの支払を受けた
⑤給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
⑥在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている
4.年金を受け取っている人のうち確定申告が必要な人
源泉徴収票の確認が必要となる、年金受給者で確定申告が必要な人とは、公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと、残額がある人です。なお、公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合には、所得税等の確定申告は必要ありません。
5.確定申告を行った方が良い人
上記3、4は確定申告を行うことが義務である人ですが、その他にも確定申告を行うことが義務ではないものの、所得税の還付を受けることが出来るため行った方が良い人がいます。所得税の還付を受けることが出来る給与所得者、年金受給者とは寄付金や医療費等の支払いにより所得税の還付を受けることが出来る人は、確定申告を行うにあたり上記の確定申告が必要な人と同様に源泉徴収票の確認が必要です。