会社法改正に合わせた医療法改正の施行期日が確定
税務・財務


医療法人に関する、役員に対する補償契約及び役員のために締結される保険契約等の法整備の施行期日が確定しました。

令和2年11月20日付けで、「会社法の一部を改正する法律」の施行期日を定める政令及び「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の施行期日を定める政令が発出されたことにより、医療法の改定もそれぞれ令和3年3月1日又は令和3年2月15日から施行されることになります。主な改定の内容は以下のとおりです。

この記事の目次

1.社員総会資料の電子提供制度(第46条の3の6関係):令和3年3月1日から施行

会社法において、株主総会資料について電子提供措置を取ることができる旨の規定及びその手続に係る規定を新設することとなり、社団たる医療法人についても社員総会の規定があることから、以下の場合に同様の措置が行なわれました。

理事が、事業報告書等(※)について電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置)をとる旨を定款で定めた場合
※事業報告書等 事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、関係事業者との取引の状況に関する報告書、その他社会医療法人等に要請される書類

2.役員に対する補償契約及び役員のために締結される保険契約(第49条の4関係):令和3年2月15日から施行

会社法において、役員に対する金銭以外のインセンティブとして、役員がその職務の執行に関して生じた第三者への損害賠償等に関する費用を株式会社が補償する契約や、当該損害を補填することを約する保険契約であって役員等を被保険者とする契約に係る規定を新設することとなり、医療法人の役員についても会社法等の規定に合わせ、同様の措置を行うことになりました。したがって、以下の補償契約、保険契約ともに、内容の決定は社員総会又は理事会の決議が必要です。

役員に対する補償契約

医療法人が、役員に対して、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用等の全部又は一部を医療法人が補償することを約する契約

役員のために締結される保険契約

医療法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が補填する保険契約で、役員を被保険者とする契約

3.計算書類の公告義務の見直し(第51条の3関係):令和3年2月15日から施行

一定規模以上の医療法人(※)について義務づけられている計算書類の公告事務について、会社法等の改正に合わせ、会社法の規定と同様に公告の開始時期についての規定を置くとともに、公告方法について、会社法等と同様にその手続きの簡素化を図ることになりました。

公告の開始時期

社員総会又は評議員会の終結後遅滞なく公告

手続きの簡素化

貸借対照表及び損益計算書の要旨で足りる

※一定規模以上の医療法人
①最終会計年度の貸借対照表の負債が50億円以上、又は損益計算書の事業収益が70億円以上の医療法人
②最終会計年度の貸借対照表の負債が20億円以上、又は損益計算書の事業収益が10億円以上の社会医療法人
③社会医療法人債発行法人

まとめ

その他の主な改正には以下があります。

・社債の管理について(第54条の3、第54条の5の2及び第54条の7関係):令和3年2月15日から施行
・理事等の責任追及等の訴えに係る訴訟における和解(第49条の2関係):令和3年2月15日から施行
・従たる事務所の登記の廃止(第70条の21第6項関係):令和3年3月1日から施行



※参照:「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の公布について

医療法人は新型コロナウイルス感染症の対応で事務手続きに関する改正までは、なかなか目が行き届かないかもしれません。
社会や経済の情勢の変化により今回会社法が改正されたわけですが、医療法人も社会や経済に影響を受ける以上、会社法の改正に合わせた改正は今後も起きるものと思われますので引き続き注意をそらさないことが必要です。

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