不妊治療費用は医療費控除の対象?
税務・財務


高額な費用が必要となる場合が多くある不妊治療に対して、助成金の支給額の引き上げや保険の適用が政府では検討をされています。
今回は、選択する治療方法によって負担額が人により大きく異なるこの不妊治療費が、医療費控除の対象となるのかについてご紹介致します。

この記事の目次

1.不妊治療費は医療費控除の対象

不妊治療費は、原則として医療費控除の対象です。病院で受ける人工授精や体外受精、卵子凍結等の費用、病院の指示により購入をする採卵消耗品、医師の紹介料等が医療費控除の対象となる不妊治療費です。

このように多くの不妊治療費は医療費控除の対象となりますが、治療では無く妊活として自主的に行う、サプリメントやお守り、妊娠検査薬、排卵検査薬等の購入費や、エクササイズの受講費は医療費控除の対象とはなりません。これらは医療費控除においては直接的な不妊治療のための費用とは認められず、あくまでも健康管理のための費用として考えられているためです。

2.医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は、実際に支払った金額から保険の受取金額及び10万円を差し引いた金額で、最高で200万円です。つまり1年間に支払う不妊治療費やその他の医療費の合計額を保険の受取金額や助成金と相殺させた残額が10万円を超え、210万円までは医療費控除の対象となります。またその年の総所得金額が200万円未満の人は、10万円に代えて総所得金額の5%が差し引く金額になります。

不妊治療費は、選択する治療方法によって負担額が人により大きく異なり、タイミング法を選択する場合は1ヶ月に1万円程度、体外受精を選択する場合には1回につき30万円から50万円必要といわれています。このことから1年間に支払う不妊治療費は高額になりがちであり、少しでも金銭的負担を減らすために、医療費控除によって所得税の還付を受けることが望ましいです。

3.医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となる医療費は、上記で紹介しました不妊治療費のみならず、他の診療科で受けた医療や、医師の指示により服用をする薬代等が該当をします。

例えば不妊治療に併せて歯医者に通院をしている場合には、歯科医師の診療費や歯科医師の指示により服用をする痛み止め等の薬代も、不妊治療費と併せて医療費控除の対象とすることが出来ます。一方で同じ歯医者の通院であっても、審美目的のホワイトニング費用等、治療を目的としない費用は医療費控除の対象とはなりません。

4.医療費控除を受けるために必要な手続き

医療費控除は所得税の納税者本人のみならず、納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費がある場合にも受けることが出来ます。
例えば収入が無く還付される所得税の無い妻が受診した婦人科の不妊治療費も、生計を一にする夫に収入があれば、夫の所得税を還付することが出来ます。

このように医療費控除を受けて所得税を還付するためには、確定申告が必要です。確定申告書の作成方法には税務署に必要書類を持参しその場で作成する方法、e-Taxを利用して作成をする方法、自身で申告ソフトを購入して作成する方法、用紙を入手して手書きで作成をする方法等があります。
確定申告書の一般的な期限は医療費を支払った年の翌年3月15日ですが、集計の結果所得税が還付をされる還付申告の場合には、医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間の間に申告を行えば良いこととされています。

5.まとめ

上記のように、不妊治療費は、原則として医療費控除の対象となります。精神的に、身体的に負担の大きい不妊治療ですが、医療費控除を受けることで金銭的な負担は減らすことが出来ます。
確定申告の方法等、ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談をされることをお勧め致します。

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