知っておきたい、災害により帳簿等を消失した場合の確認方法
税務・財務


近年多くの災害が発生し、その被災者は様々な面で不便を強いられていますが、家財の滅失と共に、申告に必要な帳簿等が消失する場合があります。
直近の申告に必要な帳簿のみならず、保管しておくべき過年度の提出済みの申告書の控えが消失することもあります。このように直近の申告書の作成に必要な、過去の提出済みの申告書が災害により消失した場合は、どのように対応をするべきなのでしょうか。
今回は災害により帳簿等を消失した場合の確認方法をご紹介致します。

この記事の目次

1.税務署に提出されている申告書等を閲覧する方法

税務署に提出されている過去の申告書等は、納税者本人の管轄の税務署にて申告書等閲覧サービスを利用し確認をすることが出来ます。 申告書を閲覧することが出来る人は、納税者の本人及びその代理人です。代理人に認められている人とは、未成年者又は成年被後見人の法定代理人、配偶者及び4親等以内の親族、納税管理人、税理士、弁護士、行政書士、法人の役員又は従業員です。

納税者本人、その代理人は共に身分証等の納税者本人であること及び代理人であることの証明書の提示が必要です。

また閲覧対象となる申告書等とは、下記の文書です。

①所得税及び復興特別所得税申告書
②法人税及び地方法人税申告書、復興特別法人税申告書
③消費税及び地方消費税申告書
④相続税申告書
⑤贈与税申告書
⑥酒税納税申告書
⑦間接諸税に係る申告書
⑧各種の申請書、請求書、届出書及び報告書等
⑨納税者が上記の申告書等に添付して提出した書類


2.閲覧の方法

申告書等の閲覧には、税務署の管理運営部門の窓口担当者等が立ち会ったうえで、その内容の書き写し又は写真撮影が認められています。 写真撮影は、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット又は携帯電話等、その場で写真が確認できる機器に限って認められています。

3.災害時の申告書等閲覧サービスの利用の特別対応

上記の内容が原則的な申告書等閲覧サービスの利用方法ですが、納税者本人や代理人が身分証等を消失している、申告書等のみならず帳簿等も消失等しており、関与税理士等にも保存がない等の事態が発生している災害時には、特別な対応が採られます。原則的な対応との違いは、下記のとおりです。

①申告書閲覧サービスを利用の出来る税務署

原則的には納税者本人の管轄の税務署にて申告書等閲覧サービスを利用しますが、災害時には、避難所等の最寄りの税務署で申告書等閲覧サービスを利用することが出来ます。
また代理人においても、納税者本人に電話等により委任の事実が確認出来る場合には、その代理人であることの証明書は不要となります。

②身分証等の提示

原則的には納税者本人が閲覧する場合においても、その本人であることの身分証の提示が必要です。しかし災害時において身分証等が消失している場合に限り、その身分証の提示に代えて、キャッシュカードやクレジットカードなど本人のみが所持していると推定されるものの提示や、申告書情報を税務署が調査することで本人確認とすることが出来ます。

③閲覧の方法

原則的には閲覧の方法は、内容の書き写し又は写真撮影のみが認められています。しかし災害時において申告書等のみならず帳簿等も消失等しており、関与税理士等にも保存がない場合には、り災証明等によりその事実を確認した上で、申告書等の作成に必要な部分のコピーを受け取ることが出来ます。
またり災証明も、住所等により明らかにり災していることが想定出来る場合には、り災証明書等の提示は不要とされます。

4.まとめ

上記のように、被災をした際には申告書等閲覧サービスの利用によって、提出済みの情報を得ることが出来ます。申告書の提出や納税の期限については、状況を加味した猶予が設けられるものの、申告義務は被災を理由に無くなることはありませんので、災害に備えて知っておくことは大切なことです。 ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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