個人が使用した企業発行ポイントは確定申告が必要?
税務・財務


個人が買い物をする際には、その購入先から購入額に応じたポイントを取得し、その取得されたポイントを購入金額の割引に充てて使用することが出来る等、ポイントにより企業から金銭的な還元を受けることがあります。
今回は、このような金銭的な還元である個人が使用した企業発行ポイントは確定申告が必要なのか、についてご紹介致します。

この記事の目次

1.原則的なポイントの取り扱い

ポイントを取得することは個人がそれを購入金額の値引き等に使用することが出来ることから、金銭的な還元、経済的利益を受け取っていることになります。
しかし、商品購入に対する通常の商取引における値引きを受けたことによる経済的利益については、原則として課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱われます。

このことから、一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した個人にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられ、こうしたポイントの取得又は使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱われます。
つまり、課税対象となる経済的利益に該当をしないため、原則として確定申告は必要ありません。

2.確定申告が必要なポイント

ポイントの取得は原則として課税対象となる経済的利益に該当をしないことから確定申告が必要ではありませんが、一部のポイントについては確定申告が必要となる場合があります。

確定申告が必要となる課税対象となる経済的利益に該当をするポイントとは、抽選キャンペーンに当選する等して臨時的、偶発的に取得したポイントです。 この臨時的、偶発的に取得したポイントを使用して値引きを受けた場合には、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと取り扱われません。 この場合は、ポイントを使用して値引きを受けた年の一時所得として課税対象の経済的利益に該当をします。一時所得の特別控除額である50万円分を超えたポイントを使用して値引きを受けた場合に、確定申告が必要です。

3.一時所得とは

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
臨時的、偶発的に取得したポイント以外にも、下記のものが該当をします。

・懸賞や福引きの賞金品
・競馬や競輪の払戻金
・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
・法人から贈与された金品
・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等


4.一時所得の計算方法

一時所得の金額は、総収入金額から収入を得るために支出した金額と特別控除額である50万円を差し引いたものです。 上記では一時所得の特別控除額である50万円分を超えたポイントを使用して値引きを受けた場合に、確定申告が必要とご紹介しましたが、それはこの計算により残額が出ることに起因をします。

5.一時所得の税金

一時所得は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得等の他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

6.まとめ

上記のように、個人が使用した企業発行ポイントは原則として課税対象となる経済的利益に該当をしないため、原則として確定申告は必要ありません。
しかし50万円分の臨時的、偶発的に取得したポイントを使用して値引きを受けた場合には、確定申告が必要です。

年間で50万円分の臨時的、偶発的にポイントを取得する機会は少ないと考えられますが、覚えておくと予期せぬ税金の支払いを免れることが出来ます。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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