投資家の投資手法のひとつとして、NISA口座を利用することが挙げられます。このNISA口座は証券会社で解説をする特定口座や一般口座とは所得税の取り扱いが異なります。
今回は、NISAの概要と確定申告への影響についてご紹介致します。
この記事の目次
1.NISAとは
NISAは、口座開設の年の1月1日時点で20歳以上の居住者等を対象として、平成26年から令和5年までの間に、非課税口座で取得した上場株式等について、その配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が、非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長5年間非課税とされる制度です2.確定申告への影響
NISA口座を利用すると、譲渡益が非課税となることから、所得税が発生せず、またその譲渡益に対する確定申告が不要となります。 他の口座と比較をすると、一般口座で得た上場株式等の利益については、自身でその利益を集計して確定申告を行い所得税の納付を行う必要があります。源泉徴収なしの特別口座で得た上場株式等の利益については、自身でその利益を集計する必要はありませんが、確定申告を行い所得税の納付を行う必要があります。
源泉徴収ありの特別口座で得た上場株式等の利益については、自身でその利益を集計する必要も、源泉徴収によって利益の入金時に所得税が差し引かれ確定申告を行う必要もありませんが、源泉徴収によって所得税を納付しています。
3.NISA口座を利用するメリット
上記のようにNISA口座を利用することには譲渡益が非課税、確定申告が不要になるメリットがありますが、NISA口座を利用するメリットはそれだけではありません。下記のようなメリットがあります。①投資金額の下限が無い
NISAには何円以上の投資をしないとNISA口座を利用することが出来ない、という規制がありません。投資金額の上限は年間120万円までであり、1円から120万円までの任意の投資金額を定めることが出来ます。②途中解約が可能
NISAは途中解約が可能です。投資に充てていた資金が必要になった場合等に途中解約が出来るNISA口座は、原則で中途解約ができないiDeCo等よりも使いやすいものとなります。4.NISA口座を利用するデメリット
NISA口座を利用すると、譲渡益が非課税となるという大きなメリットと引き換えに、NISA口座にはいくつかの制限があり、それがデメリットとなります。下記のようなデメリットがあります。①損益通算が出来ない
一般口座や特定口座の複数の口座を所有し、一方の口座で譲渡益が発生し、一方の口座で譲渡損が発生した場合には、その譲渡益と譲渡損とを相殺して、譲渡益にかかる所得税を減額させることが出来ます。 しかしNISA口座で発生した譲渡損は他の一般口座や特定口座の譲渡益と相殺させることが出来ず、譲渡益にかかる所得税を減額させることが出来ません。②損失の繰越控除が出来ない
一般口座や特定口座で発生した譲渡損は、確定申告をすることで譲渡損を繰り越し、翌年以降に発生した譲渡益と相殺をすることが出来、翌年以降に発生する譲渡益にかかる所得税を減額することが出来ます。 しかしNISA口座で発生した譲渡損は翌年以降に繰り越すことが出来ません。③1人1口座しか保有することが出来ない
一般口座や特定口座は複数の口座及び複数の証券会社を利用することが出来ますが、NISA口座は1つしか保有することが出来ません。複数のNISA口座の開設を認めてしまうと、多額の投資を行う投資家が複数のNISA口座に分散投資を行うことで所得税の課税を全て免れることが出来てしまうためです。5.まとめ
上記のようにNISAにはメリット、デメリットの双方があるものの、NISA口座で得た上場株式等の利益については、所得税が非課税となることは非常に魅力的なものです。このNISA口座を利用することで、所得税の納付及び確定申告をすることが不要となります。節税や確定申告の負担を減らすために投資手法にNISA口座を選択することは非常に有効です。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
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