事業再構築補助金における事業再構築とは?
税務・財務


2021年4月より申請が開始される事業再構築補助金。この補助金は、新型コロナウイルスの対策及び共存をしていくために事業再構築をする事業者に対して支給をされます。
それでは、この事業再構築とはどのような取り組みを指すのでしょうか。今回は事業再構築の内容についてご紹介致します。

この記事の目次

1.事業再構築とは

事業再構築補助金の主要申請要件は、売上が減少していること、事業再構築に取り組むこと、認定経営革新等支援機関と事業計画を策定し提出をすることです。

事業再構築に取り組むこと、またその事業再構築内容を明らかにする事業計画の作成のために、事業再構築補助金における事業再構築とは何かを理解する必要があります。

事業再構築補助金における事業再構築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換又は事業再編のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動をいいます。
それぞれの事業活動について下記にてご紹介致します。

2.新分野展開

①新分野展開とは

新分野展開とは、中小企業等が主たる業種又は主たる事業を変更することなく、新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、新たな市場に進出することをいいます。

②新分野展開の該当要件

下記の全てに該当をするものが新分野展開であるといえます。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスが、新規性を有するものであること。
…商品やサービスが新規性を有すると認められるためには、過去に製造等した実績がないこと、製造等に用いる主要な設備を変更すること、定量的に性能又は効能が異なることを示す必要があります。

・製品の製造方法を変更する場合にあっては、製造される製品が新規性を有するものであること。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスの属する市場が、新規性を有するものであること。
…市場が新規性を有すると認められるためには、既存製品等と新製品等の代替性が低いことを示す必要があります。代替性が低いとは、新製品等を販売した際に、既存製品等の需要が単純に置き換わるのではなく、売上が販売前と比べて大きく減少しないことや、むしろ相乗効果により増大することをいいます。

・事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスの売上高が、総売上高の1/10以上を占めることが見込まれるものであること。
…総売上高の1/10以上を占めることは申請するための最低条件です。新たな製品の売上高がより大きな割合となる計画を策定することで、審査においてより高い評価を受けることが出来る場合があります.


3.事業転換

①事業転換とは

事業転換とは、中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することをいいます。

②事業転換の該当要件

下記の全てに該当をするものが事業転換であるといえます。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスが、新規性を有するものであること。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスの属する市場が、新規性を有するものであること。

・事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスを含む事業が、売上高構成比の最も高い事業となることが見込まれるものであること。


4.業種転換

①業種転換とは

業種転換とは、中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することをいいます。
主たる業種の変更とは、直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく産業分類と比較をして産業分類が変更をされることをいいます。

②業種転換の該当要件

下記の全てに該当をするものが業種転換であるといえます。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスが、新規性を有するものであること。

・事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品又は提供する商品若しくはサービスの属する市場が、新規性を有するものであること。

・事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスを含む業種が、売上高構成比の最も高い業種となることが見込まれるものであること。


5.業態転換

①業態転換とは

業態転換とは、製品又は商品若しくはサービスの製造方法又は提供方法を相当程度変更することをいいます。

②業態転換の該当要件

下記の全てに該当をするものが業態転換であるといえます。

・事業を行う中小企業等にとって、事業による新たな製品の製造方法又は新たな商品若しくはサービスの提供方法が、新規性を有するものであること。
…製品の製造方法が新規性を有すると認められるためには、過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと、新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること、定量的に性能又は効能が異なることを示す必要があります。

・商品又はサービスの提供方法を変更する場合にあっては、提供される商品若しくはサービスが新規性を有するものであること又は既存の設備の撤去、既存の店舗の縮小等を伴うものであること。

・事業計画期間終了後、新たな製品の製造方法又は商品若しくはサービスの提供方法による売上高が、総売上高の1/10以上を占めることが見込まれるものであること。


6.事業再編

①事業再編とは

事業再編とは、会社法上の組織再編行為である合併、会社分割、株式交換、株式移 転、事業譲渡等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うことをいいます。

②事業再編の該当要件

下記の全てに該当をするものが事業再編であるといえます。

・組織再編行為等を行うものであること。

・新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うものであること。


7.事業計画の策定

事業再構築補助金を受け取るためには、これらの事業再構築内容について事業計画書を作成し示す必要があります。この計画書の策定は、まずは事業再構築補助金を受け取ることが出来る事業再構築に取り組むことが出来るかを事業者自身で検討した後、認定支援機関や金融機関に相談しながら行います。

認定支援機関とは認定経営革新等支援機関のことであり、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等が経営革新等支援機関として認定されています。利用をする認定支援機関の選定は認定経営革新等支援機関検索システムにて検索をすることが出来ます。 事業計画書の提出には認定経営革新等支援機関、金融機関による確認書が必要であり、必ず共同で作成をしなくてはなりません。

8.補助金の申請期限

2021年4月30日の18時に、第1回の申請期限が締め切られます。
それまでの間にどの事業再構築の取組を行うか決定をし、認定経営革新等支援機関、金融機関と共同で事業計画を策定し、かつ申請必要書類を揃えて申請を行う必要があります。
第2回以降の補助金の申請期間は、明確にされていませんが、2021年内に他に4回実施される予定となっています。

9.まとめ

事業再構築補助金は、その申請を行った全ての人が受け取ることの出来る補助金では無く、これらの事業再構築が合理的であると認められ評価の高い事業者から順に受けることが出来る補助金です。
申請にあたっては、どの事業再構築であれば対応が出来そうか、あらかじめ事業者が入念な検討をする必要があります。
ご不明な点がございましたら、認定経営革新等支援機関、金融機関をはじめ、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
※関連記事:
『中堅企業必見!事業再構築補助金でグローバルV字回復枠に該当するためには?』
『補助額がアップ!事業再構築補助金における中小企業卒業枠に該当するためには? 』

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。