小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が経営計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓の取組等を支援する補助金です。
今回はこの小規模事業者持続化補助金の概要と対象者についてご紹介致します。
この記事の目次
- 1.小規模事業者持続化補助金の申請期限
- 2.小規模事業者持続化補助金の対象事業者
- 3.対象事業者のうち小規模事業者持続化補助金の申請が出来る事業者
- 4.補助対象となる事業
- 5.小規模事業者持続化補助金の実施機関
- 6.まとめ
1.小規模事業者持続化補助金の申請期限
小規模事業者持続化補助金の申請受付は通年で行われており、直近の第5回の公募締め切りは令和3年6月4日です。これに申請が間に合わない場合でも、第6回、第7回の公募が行われます。公募回数が複数回あることから、小規模事業者持続化補助金の対象者に該当をすれば、申請はしやすい補助金であるといえます。
2.小規模事業者持続化補助金の対象事業者
小規模事業者持続化補助金の対象事業者は、商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる小規模事業者及び、一定の要件を満たした特定非営利活動法人です。①小規模事業者とは
小規模事業者とは、宿泊、娯楽業を除く商業、サービス業の場合は常時使用する従業員の数が5人以下の事業者、宿泊業、娯楽業の場合は常時使用する従業員の数が20人以下の事業者、製造業、その他の場合は従業員の数が20人以下の事業者をいいます。②商業、サービス業とは
商業、サービス業とは、他者から仕入れた商品を販売する事業や、在庫性や代替性のない価値を提供する事業をいいます。自身で生産や捕獲、採取した農水産物を販売する事業はその他に分類をされます。③宿泊業、娯楽業とは
宿泊業とは、日本標準産業分類における宿泊業に該当をする宿泊を提供する事業をいいます。その宿泊を提供する場所で飲食や催事を提供する場合も含まれます。娯楽業とは、日本標準産業分類における娯楽業に該当をする映画、演劇その他の興行および娯楽を提供する事業、ならびにこれに附帯するサービスを提供する事業をいいます。
④製造業とは
製造業とは、流通性のある物品を生産する事業、他者が生産した物品に加工を施したりする等をして、更なる価値を付与する事業をいいます。⑤その他とは
建設業や運送業等の上記のいずれにも該当をしない事業や、区分が異なる複数の事業を営んでいる等により判断が難しい事業をいいます。⑥一定の要件を満たした特定非営利活動法人とは
法人税法上の収益事業を行っており、かつ認定特定非営利活動法人でなく、従業員の数が20人以下の事業者である場合に、支給対象となります。3.対象事業者のうち小規模事業者持続化補助金の申請が出来る事業者
小規模事業者、一定の要件を満たした特定非営利活動法人に該当をすることと共に、下記の要件を満たした事業者が小規模事業者持続化補助金の申請をすることが出来ます。①資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと。
対象事業者が株式会社である場合には、資本金又は出資金が5億円以上の法人の完全子会社に該当をしないことが必要です。
②確定している直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。
課税所得が高額である事業者には、小規模事業者持続化補助金の制度上では補助が必要無いと考えられています
。
③商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること。
管轄地域内で事業を営んでいるは必要な要件ですが、申請において商工会議所会員であることは必要ではありません。
④令和元年度補正予算小規模事業者持続化補助金、又は令和2年度補正予算小規模事業者持続化補助金において、受付締切日の前10ヶ月以内に、先行する受付締め切りの回で採択を受けて、補助事業を実施した事業者でないこと。
令和元年度補正予算小規模事業者持続化補助金は採択から10ヶ月経過後であれば申請を行うことが出来ます。令和2年度補正予算小規模事業者持続化補助金とは重複して申請を行うことが出来ません。
⑤暴力団員に該当をしない等の反社会的勢力排除に関する誓約事項を遵守すること。
4.補助対象となる事業
上記の2、3の要件を満たした場合に、申請を行うことで、補助対象となる事業に係る経費の2/3、最大50万円が補助金として受け取ることが出来ます。補助対象となる事業とは、下記の全ての要件を満たす事業のことをいいます。①策定した経営計画に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取り組みであること。あるいは、販路開拓等の取り組みとあわせて行う業務効率化のための取り組みであること。
地道な販路開拓等とは、日本国内に限らず海外市場も含み、その販路は個人消費者向け、企業向け等、対象者を限定していません。また、事業の完了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれる事業活動が対象事業として認められます。
例えば、新商品を陳列するための棚の購入、新たな販促用チラシの作成、送付、ホームページの作成、新商品の開発等が地道な販路開拓等に該当をします。
業務効率化のための取組とは、地道な販路開拓等と併せて取り組んだ場合に対象事業となり、サービス提供等プロセスの改善やIT利活用があります。 例えば、業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減をする取り組みはサービス提供等プロセスの改善に該当をし、新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事、給与管理業務を効率化する取り組みはIT利活用に該当をします。
②商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること。
支援とは、商工会議所の助言、指導、融資斡旋等を受けることです。商工会議所の関与無く行う取り組みは対象事業として認められません。
③同一内容の事業について、国が助成する他の制度と重複する事業でないこと。
同じ取り組みに対して国の補助金と重複して小規模事業者持続化補助金を受け取ることは出来ません。国以外の補助金を受給している事業者は、必ず双方の補助金事務局に重複して受け取ることが出来るかを確認する必要があります。
④対象事業の完了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業でないこと。
例えば、機械を導入して試作品開発を行うのみであり、本事業の取組が直接販売の見込 みにつながらない、想定されていない事業は補助対象となる事業には該当をしません。
⑤事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなるおそれがあるもの、公的な支援を行うことが適当でないと認められるものでないこと。
マージャン店、パチンコ店、ゲームセンター店等、性風俗関連特殊営業等に係る事業は補助対象となる事業には該当をしません。
⑥複数事業者による共同申請の場合には、連携する全ての小規模事業者等が関与する事業であること。
複数事業者による共同申請の場合には、一般的に全ての参画事業者が、あらかじめ定めた役割分担にしたがって経費支出を行い、補助事業完了後、それぞれの参画事業者に対して交付すべき補助金の額を確定のうえ、それぞれの参画事業者からの請求を受けて補助金を交付します。共同申請の場合は最大500万円が補助金額となります。
5.小規模事業者持続化補助金の実施機関
小規模持続化補助金の申請要件に商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること、とあるように、小規模事業者持続化補助金の実施機関は全国商工会連合会、日本商工会議所です。6.まとめ
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者等を支援する、申請のしやすい補助金です。申請をご検討される方は、実施機関である全国商工会連合会、日本商工会議所や、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。※関連記事:
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