ものづくり補助金は、中小企業、小規模事業者等のサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等に必要となった経費の一部について支援を受けることが出来るものです。
今回は、ものづくり補助金の補助対象となる経費についてご紹介致します。
1.補助対象経費の考え方
ものづくり補助金の補助対象となる経費は、本事業の対象として明確に区分することが出来るものであり、その経費の必要性及び金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認出来るものです。よって原則として経費の支払いは、銀行振込の実績で確認を行います。対象経費は、交付決定を受けた日付以降に発注を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限ります。
ものづくり補助金を受け取るためには、生産性を向上させるための設備投資が必要です。設備投資は、必ず単価50万円以上の機械装置等を取得して納品、検収等を行い、補助事業者として適切に管理を行う必要があることから、申請者の補助対象経費の大部分は機械装置・システム構築費となります。
2.一般型(通常枠)の補助対象経費
2021年6月より受付開始の第7次ものづくり補助金での申請は一般型(通常枠)、一般型(低感染リスク型ビジネス枠特別枠)、グローバル展開型のいずれかの枠で行います。一般型(通常枠)で申請を行う場合の補助対象経費は、下記のものが該当をします。
①機械装置・システム構築費
…ものづくり補助金に係る事業のために使用される機械装置、工具器具の購入、製作、借用に要する経費や、使用される専用ソフトウェア、情報システムの購入、構築、借用に要する経費、またこれらの修繕や据付に係る経費です。
②技術導入費
…ものづくり補助金に係る事業の遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費です。
③専門家経費
…ものづくり補助金に係る事業の遂行のために依頼した専門家に支払われる経費です。
④運搬費
…運搬料、宅配、郵送料等に要する経費です。
⑤クラウドサービス利用費
…クラウドサービスの利用に関する経費です。
⑥原材料費
…試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費です。
⑦外注費
…新製品、サービスの開発に必要な加工や設計デザイン、検査等の一部を請負や委託等の外注する場合の経費です。
⑧知的財産権等関連経費
…新製品、サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料等、知的財産権等取得に関連する経費です。
3.一般型(低感染リスク型ビジネス枠特別枠)の補助対象経費
一般型(低感染リスク型ビジネス枠特別枠)で申請を行う場合の補助対象経費は、上記⑧までに加えて、下記のものが該当をします。
⑨広告宣伝・販売促進費
…ものづくり補助金に係る事業で開発する製品、サービスにかかるパンフレットや動画、写真等の広告の作成及び媒体掲載、展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に関連する経費です。
4.グローバル展開型の補助対象経費
グローバル展開型で申請を行う場合の補助対象経費は、上記⑧までに加えて、下記のものが該当をします。
➉海外旅費
…海外事業の拡大、強化等を目的とした、ものづくり補助金に係る事業に必要不可欠な海外渡航及び宿泊等に要する経費です。
5.まとめ
上記のように、一般型(通常枠)、一般型(低感染リスク型ビジネス枠特別枠)、グローバル展開型で、それぞれ補助対象経費が異なります。また補助対象経費は、会計上の経費として認められるものとは異なり、ものづくり補助金が独自に認めているものとなっています。補助対象経費の内容を確認のうえで、ものづくり補助金に係る事業への取り組みを行うようにしましょう。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
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