事業承継/引継ぎ補助金の対象となる「事業承継」
税務・財務

事業承継/引継ぎ補助金は、後継者不在等により、事業継続が困難になることが見込まれている中小企業者等に対する支援です。 支援の対象となる事業承継とは「創業支援型(Ⅰ型)」、「経営者交代型(Ⅱ型)」、「M&A 型(Ⅲ型)」)の3つの類型に分類をされます。それぞれの類型についてご紹介致します。

この記事の目次

1.事業承継の要件

「創業支援型(Ⅰ型)」、「経営者交代型(Ⅱ型)」、「M&A型(Ⅲ型)」のいずれの類型にも共通して、対象となる事業承継は、2017年4月1日から補助事業期間終了日または、2021 年12月31日のいずれか早い日までに、中小企業者等間における事業を引き継がせる者と事業を引き継ぐ者の間でM&A等を含む事業の引き継ぎを行った、または行うことが必要です。

グループ内の事業再編、物品や不動産等のみを保有する事業の承継等の、承継者と被承継者による実質的な事業承継が行われていない場合は、補助金の対象外となります。

2.創業支援型(Ⅰ型)に該当をするための要件

廃業を予定している者等から有機的一体として機能する経営資源を引き継いで創業して間もない中小企業者等であり、下記の要件を満たすことが必要です。

①創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であること。

②産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。


3.創業支援型(Ⅰ型)の補助対象事業となる事業承継の形態

下記の形態に該当をするものが創業支援型(Ⅰ型)となります。

承継者 判断の基準 事業承継の形態 被承継者
個人事業主 承継者は事業承継対象期間内に個人事業主として開業したまたは開業予定の者であり、法人または個人事業主から事業を引き継ぐまたは引継ぎ予定の者 事業譲渡 法人
株式譲渡
事業譲渡 個人事業主
法人 承継者は事業承継対象期間内に設立された法人または設立予定の法人であり、法人から事業を引き継ぐまたは引継ぎ予定の者 吸収合併 法人
吸収分割
事業譲渡
株式交換
株式譲渡
株式移転
新設合併
申請者である法人の総議決権数の過半数を有する者と、被承継者である個人事業者が同一でなく、承継者は事業承継対象期間内に設立された法人または設立予定の法人であり、個人事業主から事業を引き継ぐまたは引継ぎ予定の者 事業譲渡 個人事業主

4.経営者交代型(Ⅱ型)に該当をするための要件

事業承継を行う中小企業者等であり、下記の要件を満たすことが必要です。

①事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
②産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
③地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であること。


5.経営者交代型(Ⅱ型)の補助対象事業となる事業承継の形態

下記の形態に該当をするものが経営者交代型(Ⅱ型)となります。


承継者 判断の基準 事業承継の形態 被承継者
個人事業主 事業承継をするまたはした事業の経営を行っていない 事業譲渡 法人
個人事業主
事業承継をするまたはした事業の経営を行っている 法人
個人事業主
法人 代表者が交代するまたはした 同一法人 法人
法人から個人事業主への事業譲渡が実施され、承継者たる個人事業主が法人成したまたは法人成の予定の者 事業譲渡
個人事業主間での事業譲渡が実施され、承継者たる個人事業主が法人成したまたは法人成予定の者 個人事業主

6.M&A型(Ⅲ型)に該当をするための要件

事業再編や事業統合等を行う中小企業者等であり、下記の要件を満たすことが必要です。

①事業再編、事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
②産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
③地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。


7.M&A型(Ⅲ型)の補助対象事業となる事業承継の形態

下記の形態に該当をするものがM&A型(Ⅲ型)となります。

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承継者 判断の基準 事業承継の形態 被承継者
個人事業主 事業承継をするまたは事業承継をした事業の経営を行っていない 事業譲渡 法人
個人事業主
株式譲渡 法人
法人 法人間で右のいずれかに該当をする行為を行ったまたは行為の予定がある者 吸収合併 法人
吸収分割
事業譲渡
株式交換
株式譲渡
株式移転
新設合併
申請者である法人の総議決数の過半数を有する者と、被承継者である個人事業者が同一でない 事業譲渡 個人事業主

8.承継者の代表者が承継以前に代表権を有していない場合における資格要件

経営者交代型(Ⅱ型)またはM&A型(Ⅲ型)で申請を行う際に、事業承継が申請時点で完了していない場合、補助対象者となる承継者の代表者は、次のいずれかを満たす必要があります。

①経営経験を有している者
下記について、2021年12月31日までに基準の年数を超える必要があります。
・対象会社の役員として3年以上の経験を有する者
・他の会社の役員として3年以上の経験を有する者
・個人事業主として 3 年以上の経験を有する者

②同業種での実務経験等を有している者
下記について、2021年12月31日までに基準の年数を超える必要があります。
・対象会社、個人事業に継続して6年以上雇用され業務に従事した経験を有する者
・対象会社、個人事業と同じ業種において通算して6年以上業務に従事した経験を有する者

③創業、承継に関する下記の研修等を受講した者
・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けた者
・地域創業促進支援事業(平成29年度以降は潜在的創業者掘り起こし事業)を受けた者
・中小企業大学校の実施する経営者・後継者向けの研修等を履修した者


9.補助対象事業

「創業支援型(Ⅰ型)」、「経営者交代型(Ⅱ型)」、「M&A 型(Ⅲ型)」)の3つの類型に分類される事業承継に係る事業のために支出される経費が事業承継/引継ぎ補助金の補助金の対象となります。事業承継に係る事業とは、下記のことをいいます。

①中小企業者等である被承継者から事業を引き継いだ中小企業者等である承継者による経営革新等に係る取組であること。

②補助対象事業は、下記に例示する内容を伴うものであり、補助事業期間を通じた事業計画の実行支援について、認定経営革新等支援機関の記名、押印がある確認書により確認される事業であること。
・新商品の開発または生産
・新役務の開発または提供
・商品の新たな生産または販売の方式の導入
・役務の新たな提供の方式の導入
・事業転換による新分野への進出
・上記によらず、その他の新たな事業活動による販路拡大や新市場開拓、生産性向上等、事業の活性化につながる取組等

③経営者交代型(Ⅱ型)または、M&A型(Ⅲ型)で申請をする場合、新事業展開等要件もしくは生産性向上要件を満たすこと
・新事業展開等要件
…上記の補助対象事業に係る例示のうち、新商品の開発または生産、新役務の開発または提供、もしくは事業転換による新分野への進出のいずれかの内容を伴う事業計画であること。
更に事務局が定める期間において従業員数を 1 名以上増加させる計画であること。
・生産性向上要件
…承継者が 2017年4月1日以降から交付申請日までの間に本補助事業において申請を行う事業と同一の内容で先端設備等導入計画、または経営革新計画のいずれかの認定を受けていること。

④補助対象事業は、以下のいずれにも合致しないこと。
・公序良俗に反する事業
・公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業

③ 国及び地方自治体の他の補助金、助成金を活用する事業


10.まとめ

上記のように、事業承継/引継ぎ補助金の対象となる事業承継及び補助事業が定められています。自身の事業承継について、どの類型に該当するのか等のご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

※関連記事:
『事業承継/引継ぎ補助金の対象となる経費と経費補助率』
『事業承継/引継ぎ補助金を受け取るためには?審査のポイントをご紹介』
『事業承継/引継ぎ補助金の補助対象者と10の要件』

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