税務調査で誤りが発見された時に納税者が申告できる「不服申立て」とは
税務・財務



今回は前回掲載記事、税務調査の「修正申告」と「更正」って何 ? 2つの違いを徹底解説 ! にでてきた「不服申立て」について解説していきます。

「修正申告」と「更正」の違いを踏まえたうえで、確認していきましょう。


この記事の目次

修正申告と更生、どちらを選べば不服申立てができるのか


税務調査の結果として、誤りがまったくなければ「申告是認」、誤りがある場合は、2つの終わり方があります。

1つ目は「修正申告」を提出する
2つ目は「更正」という税務署からの処分になるのかを選択する

誤りがあった場合、税務調査のほとんどは修正申告になるのですが、これはあくまでも税務署(調査官)からの指摘に納得できる場合です。否認指摘の内容にどうしても納得できなければ、「更正」を選択せざるを得ません。
なぜなら、修正申告を提出すると、「不服申立て」ができないからです。

つまり、納得できなくても、修正申告を提出してしまうと、その後争うことができません。 逆にいえば、更正は、納得できないのであれば不服申立てという手続きを行うことで、争うことができるのです。

修正申告 = 指摘を納得したことになり争えない
更生 = 指摘を納得していないため争える


不服申立てをした場合、どのようになるのか


さて、税務調査の内容に納得できず、万が一不服申立てをした場合、どのようになるのでしょうか。
手続きの流れなどを解説する前に、不服申立ての特徴を挙げておきましょう。

不服申立ての特徴


不服申立てとは、あくまでも納税者の救済制度です。つまり、税務署から恣意的な課税を受けた場合のように、納税者を救うことが目的となっていますので、不服申立てをしたからといって、税務調査以上の不利益をうけることはありません。

不服申立て = 納税者の救済制度
不服申し立てをしても税務調査以上の不利益をうけることはない


例えば、税務調査で100万円を課税され、不服申立てをしたら違う誤りが発見されて、120万円課税されるなどの追加的リスクはないのです。

不服申立ては訴訟ではない


不服申立てはあくまでも訴訟ではなく行政手続きです。訴訟とは違い、手数料などは一切かかりません。

さらに訴訟と違う点は、訴訟は通常、代理人となる弁護士に依頼することになりますが、不服申立ては弁護士に依頼する必要はありません(もちろん依頼しても構いません)。

不服申立ての手続きが訴訟と違う2つの点
(1) 手数料がかからない
(2) 弁護士に依頼する必要がない


税務調査の延長で、税理士が代理人になることができるのです(税理士は訴訟において代理人になることはできません)。 不服申立ての手続きは具体的に、異議申立てと審査請求に分けることができます。

処分から2ヶ月以内に税務署に対して申立てを行うのが「異議申立て」、国税不服審判所に対して申立てを行うのが「審査請求」となります。

異議申立てとは


異議申立ては、同じ税務署によって(実質)審理が行われます。これは通常、担当調査官を変えて再調査を行うものです。

異議申立てにおける審理


異議申立てにおける審理は、決定までに1ヶ月と非常に短く、また最終決裁者である税務署長が同じため、納税者側が勝つ確率は極めて低いといえます。異議申立ての決定内容に不服がある場合、納税者は審査請求を行うことができます。

審査請求の結果(裁決)、それでも不服がある場合、裁判所に対する申立てを行うことになります。これ以降の手続きは、裁判(訴訟)になるのです。

不服申立てはどの程度の割合で納税者が勝てるのか


さて、不服申立てを行えば、どの程度の割合で納税者が勝てるのでしょうか。
実はこの数字は国税庁のホームーページで公表されています。



以下この公表資料から把握できる納税者側が全面的に勝つ(全部認容の)確率です。

■ 異議申立て:1~2%
■ 審査請求:4~5%
■ 訴訟(裁判):10%以下

非常に低い確率であることがわかりますね。
この「確率」と、「争う金額」、「税理士や弁護士費用」まで考えて不服申立てをするのか判断する必要があるのです。
(平成25年12月掲載:この記事は掲載時点の法令等に基づいて記述しております。)

最新の平成27年のデータはこちらをご参照ください。
(平成27年掲載:この記事は掲載時点の法令等に基づいて記述しております。)




まとめ


いかがでしたでしょうか ? ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 田中雅明税理士事務所 田中雅明のページ



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