新型コロナウイルス感染症の影響による休業手当は年末調整に含める?
税務・財務


新型コロナウイルス感染症の影響により、会社そのものが営業を休止した、会社は営業をしているものの出勤人数の調整のために休暇日数が増加した等の理由により、勤務日が減少したことにより、今年の給与が減少した人もいらっしゃることでしょう。
その給与の補填のために、休業手当が支給されていた場合、この手当は年末調整に含まれ、所得税が課税されるのでしょうか。
今回は、休業手当の取り扱いについてご紹介致します。

この記事の目次

1.会社が従業員に支払う休業手当は2種類に分けられる

一般的に会社が従業員に支払う休業手当といわれるものは、2種類に大別することが出来ます。それは、労働基準法第26条の規定に基づく休業手当と、労働基準法第76条の規定に基づく休業補償です。

労働基準法第26条の規定に基づく休業手当とは、使用者の責に帰すべき事由により休業した場合に支給されるものです。新型コロナウイルス感染症の影響により会社そのものが営業を休止した、出勤人数の調整のために休暇日数が増加した、等は、新型コロナウイルス感染症の蔓延そのものは会社に責任があるものではありませんが、使用者の判断によって行われることなので、それに伴い休業手当が支給された場合には、こちらに該当をします。

労働基準法第26条の規定に基づく休業手当では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない、と定められています。

一方で労働基準法第76条の規定に基づく休業補償とは、労働者が業務上の負傷等により休業した場合に支給される休業補償、療養補償、障害補償等、労働基準法第8章の規定により受ける療養のための給付等のことをいいます。

労働基準法第76条の規定に基づく休業補償では、療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない、と定められています。

2.年末調整に含まれる休業手当

会社が従業員に支払う休業手当のうち、年末調整に含まれる休業手当、つまり所得税が課せられる休業手当は、上記の休業手当のうち、労働基準法第26条の規定に基づく休業手当です。
所得税が課せられる給与所得とは、使用人や役員に支払う俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得をいいます。

休業手当は給料や賞与とは違う名称であることから、所得税が課税されないものと捉えられがちですが、休業手当を含めて、残業手当や休日出勤手当、職務手当等のほか、地域手当、家族手当、住宅手当等も給与所得に該当をし、所得税が課税されます。

3.年末調整に含まれない休業手当

会社が支払う休業手当のうち、年末調整に含まれない休業手当、つまり所得税が非課税である休業手当は、上記以外の休業手当である、労働基準法第76条の規定に基づく休業補償です。

また、会社が支払わない休業手当として、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律の規定に基づいて、会社から休業手当を受け取っていない雇用保険法の被保険者に対して国から直接給付される新型コロナウイルス感染症対応休業支援金についても、この支援金に対して税金が課せられないことと定められているため、年末調整に含まれない休業手当、つまり所得税が非課税である休業手当に該当をします。

4.まとめ

上記のように、一般的に休業手当といわれるものであっても、その内容により所得税の課税関係、つまり年末調整に含めるかの判断が異なるため、留意が必要です。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。