損益通算とは?「不動産で節税」のカラクリ
税務・財務


「投資不動産を運用することで節税になる」という話を耳にしたことはありませんか?これは所得税の計算上、プラスの所得とマイナスの所得を合算することで、プラスの所得に係る所得税を減額することが出来るという仕組みから生じた話であり、この仕組みを損益通算といいます。
今回は、この損益通算についてご紹介致します。

この記事の目次

1.損益通算とは

損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。

控除の対象とすることが出来る損失とは、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得によって生じた損失のことをいいます。
例えば、会社役員であり給与所得がプラス1,000万円である人が、会社勤務とは別に不動産賃貸を行い、不動産所得がマイナス1,000万円である場合には、これを相殺して課税所得金額を0円とすることが出来、課税所得金額が1,000万円である人と比較をすると、170万円超の所得税の減額をすることが出来る、という仕組みです。

2.不動産所得とは

不動産所得とは、土地や建物などの不動産の貸付け、地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け、船舶や航空機の貸付けによって生じる所得のことをいいます。

不動産の所得金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算を行い、損失が生じる場合とは、例えば建物の貸付を行う際に、その賃貸収入よりも必要経費である固定資産税や減価償却費等が上回る場合に生じます。

他の控除の対象とすることが出来る損失が生じる所得である、事業所得、譲渡所得、山林所得と比較をすると、不動産所得は不動産会社に運営を一任することで得ることが出来るため手間が少なく、かつ損益通算のための多額の損失を生じやすいことから、「不動産で節税」という言葉を耳にする機会が多いと考えられます。

3.事業所得とは

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得のことをいいます。
事業所得の所得金額は、不動産所得と同様に総収入金額から必要経費を差し引いて計算を行い、損失が生じる場合とは、例えば小売業を行う際に、その売上収入金額よりも必要経費である仕入額等が上回る場合に生じます。

4.譲渡所得とは

譲渡所得とは、土地、建物、株式等、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得のことをいいます。
譲渡所得の所得金額は、総収入金額から取得費と譲渡費用と特別控除額を差し引いて計算を行い、損失が生じる場合とは、例えば住宅ローンの残っているマイホームを、住宅ローン残高を下回る価格で売却した場合に生じます。

損益通算の対象となる譲渡所得は、一定のものに限られるため、全ての譲渡所得が損益通算の対象となるものではありません。

5.山林所得とは

山林所得とは、山林を伐採して譲渡することによって生ずる所得や、立木のままで譲渡することによって生ずる所得のことをいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合は、山林所得ではなく事業所得か雑所得になります。

山林所得の所得金額は、総収入金額から必要経費と特別控除額を差し引いて計算を行い、損失が生じる場合とは、例えば山林を伐採して得た収入よりも必要経費である伐採費、運搬費、仲介手数料等が上回る場合に生じます。

6.損益通算の対象とならない所得

上記の4つの種類の所得から生じる所得は、損益通算の対象となりますが、それ以外の6つの所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、一時所得、退職所得において損失が生じた場合であっても、損益通算の対象とはなりません。

7.まとめ

上記のように、損益通算が出来る所得において損失がある場合には、利益のある所得と相殺して納めるべき所得税を計算することが出来、これを利用することで、大きく節税をすることが可能となる人もいます。
損益通算等、確定申告についてご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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