以前、税務調査の下調べとは ? わかっていれば怖くない「税務調査事前対策」
を掲載しましたが、今回は税務調査を受ける側の皆様に税務調査前に注意していただきたいポイントを解説いたします。
税務調査の事前通知で聞くべきポイント
まず初めに、税務調査の事前連絡において、法人(個人事業主)側で何を聞き取らなければならないか、というポイントをご説明します。
事前通知の主要な目的は、日時や場所等を聞くことです。
ここでもう一つ、大事なのが「調査の対象となる帳簿書類その他の物件」という項目です。これは税務調査でどんな書類を準備しておけばいいか、というものです。
税務調査では余計なものは用意しない
多くの場合、「(総勘定)元帳、請求書、領収書などですね」と言われるはずです。裏を返せば「準備しておいてほしい」と言われたものだけ準備すればいいのです。この点をきちんと聞いておくと、余計なものを用意する手間は省けます。
税務調査では「必要なものだけ」を用意する
「国税通則法施行令第30条の4」とは
その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項がありますが、それを定めたものが「国税通則法施行令第30条の4」になります。
1.調査の相手方である法第 74 条の9第3項第1号に掲げる納税義務者の氏名及び住所又は居所
2.調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
3.法第 74 条の9第1項第1号又は第2号に掲げる事項の変更に関する事項
4.法第 74 条の9第4項の規定の趣旨
この点、法律の規定はわかりにくいので解説を加えます。
みなさんの名前と住所を伝えるという当たり前の事項です
税務調査を行う調査官の名前を伝えられます。ということです。
一度決めた調査の日時・場所を変更する場合に、変更した後の決め事を伝えます。ということです。
上記のように通知した事項以外におかしな点が出てくれば、再度通知することによって、さらに書類の提示などを求めることができるという内容です。ということです。
細かい部分になりますが、税務調査の手続きが大きく変わったのと同時に、細かく規定されることになりました。事前通知の項目は多いのですが、調査官が言ったことを漏らさないようメモをとっておくことをおすすめします。
調査官が言ったことは漏らさないようにメモを取っておくこと
税務調査の前にチェックすべき事とは
税務調査は通常、1~2週間前に税務署から事前連絡があります。税務調査をいつにするのか、日程調整して決めるわけですが、この事前連絡から税務調査の当日までにすべきことがあります。
それは税務申告書を見直して、誤りなどがないかどうかをチェックすることです。 この事前チェックで、もし誤りが見つかったら、税務調査の当日までに自ら修正申告をしましょう。
修正申告については、以前掲載した 税務調査の「修正申告」と「更正」って何 ? 2つの違いを徹底解説 ! をご参照下さい。
税務調査の「本税」、「延滞税」、「加算税」とは
まず、税務調査で誤りなどが見つかり、修正申告した場合を説明します。
当初の申告で100の税金を申告していた会社が、税務調査において正しい税金の額が150になったとします。この差額の50を「本税」と呼びます。では、本税を支払えばそれで済むのでしょうか ? 次の項目で確認していきましょう。
遅れて納付したことに対する利息「延滞税」について
税務調査では指摘をされた差額の本税を支払えば済むわけではありません。少ない税額で申告していたわけですから、遅れて納付したことに対する利息がつきます。これを「延滞税」と呼びます。延滞税は年率14.6%をベースにして計算されます。
本税に対しての罰金「加算税」について
さらに、本税に対して一定率の罰金が課されます。これを「加算税」と呼んでいます。
加算税は、通常10%(過少申告加算税)なのですが、会社が不正行為などをして税金をごまかしていた場合には35%(重加算税)の罰金になります。 これら「本税+延滞税+加算税」を合計した金額を追徴税額と呼んでおり、これを修正申告した日に納めなければならないのです。
加算税がかからない方法
加算税には例外が1つだけあります。それは、自分で事前にチェックをし、「誤りに気付いて、自分で修正申告したら、加算税が課されない」というものです。 つまり、税務調査で指摘されたから罰金が課されるのであって、自ら誤りを認めたものには罰金を課す必要がない、という趣旨なのです。
この制度は知らない人が多いので、ぜひ活用していただきたいと思います。
まとめ
税務調査の事前順bにについtえご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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