確定申告で間違いやすいところをピックアップ
税務・財務


令和2年分所得税の確定申告は、国税庁報道発表資料によりますと、2,249万人だそうです。毎年これだけの確定申告が行われているとすると、間違いが起きやすいポイントがあります。比較的新しく間違いやすいところをピックアップして、ご紹介いたします。

この記事の目次

1.還付申告書の提出期限について

確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。
この申告を還付申告といいます。

令和3年分以後の所得税等の確定申告については、還付申告の申告義務がなくなりました。
したがって、還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

ただし、年の途中で死亡した方のその年分の還付申告書については、死亡日の翌日から5年間となります。 ここで注意が必要となるのは、還付申告書等を提出する方で、青色申告特別控除の適用を受ける場合です。

55万円または65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、その年の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出する必要があります。

2.PCR検査費用について

近年は、PCR検査を受けた方も多く、その時にかかった費用を医療費控除の対象としていいのかどうか悩まれる方もいるのではないでしょうか。
PCR検査費用も、基本的には人間ドック・健康診断等の費用と同様の考え方になります。

つまり、医療費控除の対象となるのは、医師等の判断によりPCR検査を受けた場合で自己負担部分に限ります。
一方、自己判断(帰省のための確認等)によりPCR検査を受けた場合は医療費控除の対象となりません。

ただ、自己判断で検査を受けて、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を受けた場合のPCR検査費用は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、医療費控除の対象となります。

3.退職所得について

退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいいます。
事業主は、退職金等を受け取ったすべての従業員に「退職所得の源泉徴収票」を交付しなければなりません。
この際に源泉徴収された場合、課税関係が終了したものと考え、確定申告書で記載を忘れる場合があります。

しかし、合計所得金額には、退職所得も含まれます。そのため、基礎控除等の計算に当たっては、退職所得も含めて計算しなければなりません。
その他、退職した翌年に退職金を受ける場合があります。
この場合、退職所得の収入とすべき時期は原則退職日になります。ただし、会社役員等の場合で、その支給について株主総会等の決議を要する場合は、その決議のあった日とされています。

4.国外不動産所得の損失の損益通算について

海外の中古不動産に投資をして、耐用年数の短さを利用することで多額の不動産所得の損失を計上し、給与所得や事業所得と通算することで節税するという方法がありました。
令和3年以後は、国外中古建物の不動産所得に損失が生じる場合に、国外中古建物の耐用年数について一定の方法(いわゆる簡便法)により算定して減価償却費を必要経費に算入しているときは、国外中古建物の不動産所得の損失のうち、その国外中古建物の償却費に相当する額は生じなかったものとみなされ、国内所得との損益通算はできないこととなりました。

ここで、注意が必要なのは、国外にある不動産の貸付けにより生じた不動産所得の損失が、全て損益通算の対象とならない訳ではないということです。
損益通算の対象とならない損失は、国外の中古の建物であり、かつ、償却費に係る耐用年数をいわゆる「間便法」等により算定しているものに限られます。
新築の建物や「簡便法」等により算定していないものは損益通算の対象となります。

また、複数の国外中古建物を有する場合には、国外中古建物ごとに区分して、不動産所得を計算する必要があります。

5.まとめ

毎年税制改正などの影響で、確定申告のルールは変わります。
税金の計算や帳簿付けを負担に感じられましたら、税理士にご相談ください。

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