事業復活支援金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者の事業の継続や回復を支援するための助成金です。この助成金は一定の要件を満たし申請を行うことで、中小法人や個人事業主が受け取ることが出来ます。
それでは個人事業主が受け取った場合には、所得税の課税対象となるのでしょうか?今回は、助成金の課税関係についてご紹介致します。
1.事業復活支援金と所得税
①個人事業主が受け取ることの出来る事業復活支援金とは
事業復活支援金を受け取れることの出来る個人事業主とは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことにより、2021年11月から2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年から2021年の間の任意の同じ月の売上高と比較して、50%以上又は30%以上50%未満減少した事業者です。売上高が50%以上減少をした個人事業主は最大50万円を、30%以上50%未満減少した個人事業主は最大30万円を受け取ることが出来ます。
②事業復活支援金の課税関係
事業復活支援金は、所得税の課税対象になります。事業所得者向けの事業復活支援金を受け取った場合は、その収入は事業所得に、給与所得者向けの事業復活支援金を受け取った場合は、その収入は一時所得に、雑所得者向けの事業復活支援金を受け取った場合は、雑所得に分類をされます。また、収入の計上時期は支給決定時です。例えば、50万円の事業復活支援金の支給決定通知を5月に受取り、6月に入金がされた場合は、6月の収入ではなく、5月の収入として計上をする必要があります。
2.助成金と所得税
新型コロナウイルス感染症に関連した助成金には事業復活支援金のように所得税が課税されるものと、所得税が課税されないものがあります。課税されるもの、課税されないものを列挙してご紹介致します。①所得税が課税される、新型コロナウイルス感染症関連の助成金
・事業復活支援金・持続化給付金
・東京都の感染拡大防止協力金
・中小法人、個人事業者のための一時支援金、月次支援金
・雇用調整助成金
・小学校休業等対応助成金
・家賃支援給付金
・小規模事業者持続化補助金
・農林漁業者への経営継続補助金
・医療機関、薬局等における感染拡大防止等支援事業における補助金
・新型コロナウイルス感染症特別利子補給制度に係る利子補給金
・GoToトラベル事業における給付金
・GoToイート事業における給付金
・GoToイベント事業における給付金
②所得税が課税されない、新型コロナウイルス感染症関連の助成金
・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・新型コロナウイルス感染症対応休業給付金
・特別定額給付金
・住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
・新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金
・子育て世帯への臨時特別給付金
・学生支援緊急給付金
・低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
・低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
・新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
・企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
・東京都のベビーシッター利用支援事業の特例措置における助成
3.助成金収入の計上時期
助成金収入の計上時期は、事業復活支援金のように、原則として入金がされた日ではなく、その収入すべき権利が確定した日になります。一方で、助成金等が、経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるものであり、あらかじめその交付を受けるために必要な手続をしている場合には、その経費が発生した年分に助成金等の交付決定がされていないとしても、その経費と助成金等の収入が対応するように、その助成金等の収入計上時期はその経費が発生した日の属する年分として取り扱うこととしています。
4.まとめ
事業復活支援金は、所得税の課税対象となり、支給決定がされた年度の収入として計上をする必要があります。確定申告書を作成する際には計上を漏らさないように留意をしましょう。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。