少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が令和4年度税制改正で延長決定!
税務・財務


少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の対象は、中小企業者等が令和4年3月31日までの間に取得等して事業の用に供した場合でしたが、この対象期間が延長されることが令和4年度税制改正で決定されました。
今回は、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例についてご紹介致します。

この記事の目次

1.少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例とは

減価償却資産を取得した場合、原則として対象年数に渡り減価償却を行うことで、その減価償却によって算出された減価償却費を取得年度の損金として計上することが出来ます。 例えば、20万円の耐用年数が4年の減価償却資産を期首に取得した場合に、1年後の期末に計上をすることが出来る損金は、20万円を4で除した5万円となります。残りの15万円については期末において資産として計上がされます。

一方で、少額減価償却資産の取得原価の損金算入の特例を適用した場合には、取得時にその取得価額の全額を損金として計上することが出来ます。上記の例の場合は、取得時に20万円が損金として計上をすることが出来、資産計上はされません。
これにより、減価償却費相当額を各年に分けること無く、早期に損金を計上することが出来、取得年度の利益を少なくすることで、取得年度の法人税の節税を行うことが出来ます。

①適用対象法人

この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。
中小企業者とは、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人等のことをいい、日本の企業の90%以上が中小企業者に該当するといわれています。

②適用対象資産

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産です。器具及び備品、機械装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、また、所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産や、中古資産であっても対象となります。
ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超える場合は、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

更に、特例の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用は出来ません。また、取得価額が10万円未満のもの又は一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。

③適用要件

この特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付して申告することが必要です。

2.特例の延長

この特例は、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得等して事業の用に供した場合に適用をすることが出来るものでした。
この取得期間が令和4年度の税制改正によって2年間延長されることが決定されました。法人の積極的な償却資産への投資を促し、ウィズコロナ時代に適応していくためのビジネス変革等を後押しする税制措置です。

3.まとめ

このように、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合に適用をすることが出来る、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が令和4年度税制改正で2年間延長されました。

少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例等、法人の会計処理や申告書の作成についてご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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