契約書等の印紙税の課税文書を作成した場合、原則として収入印紙を貼付し、消印を行うという、印紙税を納付するための手続きが必要となります。
この手続きは印紙税法上どのように行うことと定められているのでしょうか。今回は、収入印紙の貼り方と消印の仕方についてご紹介致します。
この記事の目次
1.収入印紙の貼り方
①必要金額を確認する
収入印紙には、様々な金額のものが存在します。1円のものから100,000円のものまで存在し、切手と同様に郵便局等で購入をした後、自身で必要な金額分を課税文書に貼付します。必要な金額は課税文書の種類や、その文書に記載される金額によって異なるため、課税文書の作成者が内容を確認して決定をする必要があります。
②収入印紙の貼り方
収入印紙は切手と同様に裏面に乾燥した糊が付いているため、水分を含ませて貼付をします。貼付をする箇所は印紙税法によって定められてはいません。法的な要請はありませんが、契約書であれば契約書の1枚目の左上、領収書であれば右下に貼付される場合が多いです。
間違えて貼付した場合には、消印を行う前であれば剥がして再利用することが出来ます。汚損しないように、水に付けてしばらく置き、糊が溶けた状態にして課税文書と引き離す方法にて剥がす方法が一般的です。
2.収入印紙の消印の仕方
①消印とは
消印とは、切手や葉書にも押される印であり、その金額について使用済みであることを証明するために捺印されるものです。②収入印紙の消印をする人
収入印紙の消印の仕方は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名によって行います。消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印章でなくても署名でもよいため、文書の消印は、その文書に押した印でなくても、作成者、代理人、使用人、従業者の印章又は署名であれば、どのようなものでも差し支えありません。複数の人が共同して作成した文書に貼り付けた収入印紙は、その作成者のうち誰か1人の者が消せばよいことになっています。
③収入印紙の消印に使用することが出来る印章
消印は印紙の再使用を防止するためのものであることから、それに使用する印章は通常印判といわれているもののほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありません。④収入印紙の消印に使用することが出来る署名
署名は自筆によるものである必要がありますが、その表示は氏名を表すものでも通称、商号のようなものでも構いません。しかし、単に印と表示したり斜線を引いたりしてもそれは印章や署名には当たらず、消印したことにはなりません。
収入印紙は判明に消さなければならないため、一見して誰が消印したかが明らかとなる程度に印章を押し又は署名することが必要であり、かつ、通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要です。よって、鉛筆で署名したもののように簡単に消し去ることができるものは、消印をしたことにはなりません。
⑤収入印紙の消印の捺印箇所
消印は収入印紙と課税文書に跨るように行います。収入印紙のどの部分に消印をすべきという定めは印紙税法にはありませんが、収入印紙の右横又は右下から課税文書にかけて消印を捺印することが一般的です。3.まとめ
収入印紙の貼り方や消印の仕方についてご紹介致しました。貼付や消印を怠ると、印紙税の未納と判断がされるため、罰則の対象となります。契約書や領収書等の課税文書を取り扱う業務に就かれている方は、この機会に収入印紙の取り扱いについて業務内容を確認してみてはいかがでしょうか。ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。
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