法人に対する税務調査の落とし穴 ! 「印紙税の調査」とは
税務・財務


この記事の目次

印紙税の調査とは


法人に対する税務調査は、「法人税・消費税・源泉所得税」という3つの税金が同時に調査されるのが通常です。

しかし、契約書等が多数存在する業種・業態においては、同時に印紙税の調査もされることが多くあります。

法人の税務調査は「法人税・消費税・源泉所得税」だけではない !
業種・業態においては、印紙税の調査もされる



税理士法第2条(税理士の業務)について


■ 税理士法第2条(税理士の業務)
税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和 25 年法律第 226 号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。

カッコ書きが多くてややこしい文章ですが、簡単に説明すると、税理士は印紙税の業務を行うことができません(印紙税を除くと規定されています)。

なぜ税金の専門家である税理士の業務において、印紙税が範囲から外されているのか税理士の私でもわかりませんが、法律にそう規定されている以上、税理士は印紙税の業務を行うことができません。


税務調査の事前通知はどのように行われるのか


さて、この事実を踏まえて、税務調査の事前通知はどのようにして行われるのでしょうか。

税務署内の規定によると、このようなルールがあります。

「法人課税部門における実地の調査においては、原則として、法人税、消費税及び源泉所得税を事前通知の調査対象税目とする。(中略)
なお、原則として、印紙税は事前通知の際の調査対象税目には含めないが、調査着手後、法人税等の調査の過程において印紙税の不納付文書(納付方法が印紙貼付によるものに限る。)を把握した場合には、事前通知事項以外の事項として調査対象に追加することを納税義務者等に説明した上で調査することに留意する。」


というわけで、事前には通知しないが、必要であれば印紙税の調査も行うとしているのです。

税務代理と印紙税


税理士の業務から、印紙税が除かれているという事実から、税務調査で印紙税の話になると、税理士は口出しできないというとです。

これは正確には「税務代理」といって、顧問先である法人・個人事業主の代わりに、税務調査で調査官に発言等をする行為なのですが、印紙税に限っては、これができないというわけです。

実務上のところ、多くの税務調査で印紙税においても同じように、調査官から税理士に意見を求められたり、また誤り等がある場合に税理士事務所が処理をしたりするのですが、これらには、大きく2つの理由があるものと考えられます。



実のところ、(1)がほとんどではないかと思います。
税務署がどれだけのルールを作っても、多くの調査官に周知されていないというのは、印紙税だけの問題ではありません。

ましてや、同じ税務調査で問題になる税金なのですから、これらの事実を調査官が知らなくても仕方のないことかもしれません。


また、(2)の場合も多いと考えています。
実際のところ、税金の知識がないからこそ税理士に依頼しているのが事実なのであって、印紙税だけ税理士ではなく、経営者に質問するというのも、調査官からすれば面倒なはずです。


さて、税理士が印紙税の税務代理ができないという事実を知っている調査官の中には、税務調査で税理士が印紙税の口出しをすると、「法律違反ですよ」と言ってくるケースも考えられます。

このような場合は、税理士が代理で意見を述べるではなく、「経営者の意見をそのまま伝える」ということであれば問題ない、というわけです。

つまり、税理士の見解ではなく、経営者の見解をそのまま伝えるのであれば、代理行為にはならないのです。

税理士が印紙税について話したい場合は税理士の見解ではなく「経営者の見解をそのまま伝える」のであれば、代理行為にはならない



まとめ


税務調査において印紙税が問題になり、調査官の方から税理士に対して印紙税の質問等がない場合は、経営者の意見をそのまま述べていただ機会があるかもしれませんが、それはこのような理由からなのです。

税務調査や、その他税務関係でご不明な点がございましたらお気軽に
「田中雅明税理士事務所」へご相談ください。

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