インボイス制度の影響を受けない事業者とは、どんな仕事?
税務・財務


インボイス制度の開始は多くの事業者に影響がありますが、一定の仕事に従事をしている人には影響がなく、特段の届出等の手続きを行う必要がありません。 今回は、インボイス制度の影響を受けない事業者とは、どのような仕事に従事している人なのかについて、ご紹介致します。

この記事の目次

1.インボイス制度において適格請求書発行事業者になる必要がない事業者

1.インボイス制度と適格請求書発行事業者

消費税の課税事業者が納付すべき消費税は、原則として預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算をします。 インボイス制度の開始以後は、支払った消費税として認められる金額は、原則として適格請求書に記載された金額となり、適格請求書が発行することが出来る事業者は、課税事業者である適格請求書発行事業者に限られます。

よって、事業者の売上の取引先が消費税の納税額を計算するにあたり、売上の取引先の事業者が、事業者からの仕入にかかる消費税額を支払った消費税として認識するためには、事業者は適格請求書発行事業者となる必要があり、届出等が必要となります。

適格請求書発行事業者になることは任意ですが、適格請求書を発行することが出来ないと、売上の取引先は納めるべき消費税額が増加してしまうため、取引そのものの停止を受ける可能性があります。そのような事態を避けるためには、適格請求書発行事業者となることが必然となり、多くの課税事業者を売上の取引先としている事業者は、この届出等の手続きを要します。

しかし、一定の事業者においては、適格請求書発行事業者になる必要がありません。

2.適格請求書発行事業者になる必要がない事業者

適格請求書発行事業者になる必要がある事業者とは、売上の取引先が課税事業者であり、取引先の消費税額の増加による取引条件の悪化を防ぎたいと考える事業者です。 しかし、売上の取引先が課税事業者でない場合は、適格請求書による仕入であっても、従来の領収書や請求書による仕入であっても、そもそも売上の取引先に消費税の納付義務がない以上は、どちらでも影響がありません。

売上の取引先が課税事業者でない場合とは、一般消費者や免税事業者である事業者のみを売上の取引先として事業を行っている場合のことをいい、この場合は適格請求書発行事業者になる必要がありません。

2.適格請求書発行事業者になる必要がない仕事

一般消費者や免税事業者である事業者のみを売上の取引先として事業を行っている場合は、適格請求書発行事業者になる必要がありません。

売上の取引先が免税事業者であるかについては、いつその事業者が課税事業者になるか判断がしにくいため、一律にどのような仕事とはいえませんが、一般消費者のみを売上の取引先としている仕事には、下記のような内容を行う事業者が挙げることが出来ます。

・美容院
・理髪店
・ネイルサロン
・エステサロン
・マッサージ店
・スポーツジム
・学習塾
・音楽教室
・英会話教室
・居住用住宅の賃貸オーナー
・医療機関


つまり、個人が私的に利用をし、経費として計上するために領収書の発行を求められることがないような仕事は、適格請求書発行事業者になる必要がないといえます。

3.売上の取引先が個人消費者と課税事業者の両者存在する場合

上記のように、売上の取引先が個人事業者や免税事業者である事業者のみである場合は、適格請求書発行事業者になる必要がありませんが、課税事業者にも売上の取引先がある場合、例えば美容院が個人への散髪等のサービス提供をしながらも、シャンプー等の美容関係商品を課税事業者に販売している場合には、どうしたら良いのでしょうか。
この場合は、美容院を営む事業者が、既に課税事業者である場合には、適格請求書発行事業者になる方が、美容関係商品の取引先に負担をかけずに済むため、良いと考えられます。

しかし、美容院を営む事業者が免税事業者である場合には、適格請求書発行事業者になるためには課税事業者になる必要があり、美容院を営む事業者が消費税を納めるための負担を強いられるため、美容商品の取引先との兼ね合いにより、適格請求書発行事業者になるべきかについては、慎重に検討をする必要があります。

4.まとめ

上記のように、売上の取引先が一般消費者や免税事業者である事業者である場合には、適格請求書発行事業者になる必要がなく、インボイス制度の影響はないといえます。 ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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