この記事の目次
- 税務調査の管轄が国税局に変わる基準とは
- 会社の規模により税務調査の管轄が変わる
- 国税局の管轄に移った場合、税務調査でのデメリットとは
- 広域調査とはどのような税務調査なのか
- 広域調査は無予告調査のことがほとんど
- 広域調査と似ている「同時調査」とは
- まとめ
- その他税務調査に関する記事
税務調査の管轄が国税局に変わる基準とは
税務調査を実施しているのは、基本的に管轄する税務署になります。管轄する税務署は、会社の本店所在地(登記場所)で決まっており、国税の申告書を提出する税務署と同じになります。
また、税務調査の管轄は、税務調査時の本店所在地と定められていますので、申告書を提出した後に会社を移転し、その後税務調査ということになれば、移転後の新しく管轄になった税務署が税務調査を行うことになります。極端な例ではありますが、税務調査の最中に会社を移転した場合は、途中から移転後の税務署が税務調査を行うことになるわけです。
会社の規模により税務調査の管轄が変わる
一方、会社の規模によって、税務調査を行う管轄が変わることもあります。
税務署ごとの基準によって変わりますが、売上金額が大きいなど、ある一定の基準を超えると、税務署の中でも「特官(とっかん)部門」が税務調査の担当になります。特官部門は、大規模法人ばかりを調査しており、複数人での税務調査となるのが通例です。
ただし、特官部門が担当になったからといって、いきなり税務調査が厳しくなるということはありません。
税務調査は特官部門が担当になっても、税務調査が厳しくなることはない
税務署ではなく国税局が税務調査の担当になることもある
もう1つの基準として、税務署ではなく「国税局」が税務調査の担当になることもあります。これは、原則として資本金が1億円以上の場合です。 資本金が1億円未満の会社が、増資により1億円以上になった場合は、税務調査の担当が税務署ではなく、管轄する国税局になるわけです。
これはあくまでも原則であって、資本金が大きいにもかかわらず、会社の規模がそれほ ど大きくない場合は、国税局に管轄が移らず、そのまま税務署の管轄になる場合もありま す。これは、税務署ごとの判断によって変わるというのが実情です。
国税局の管轄に移った場合、税務調査でのデメリットとは
資本金が1億円以上になったにもかかわらず、税務署の管轄になる場合は、「税務署所管 法人の指定通知書」という文書による通知が届くことになっています。 国税局の管轄に移った場合、税務調査ではいくつかのデメリットが考えられます。
■ 税務署の調査より長引くことが通例
■ 税務署より更正(処分)を安易に行ってくる
■ 税務署より更正(処分)を安易に行ってくる
このようなことから、資本金を増資する場合は、税務調査の管轄にも影響を及ぼす可能性があるので、ここまで配慮して増資金額を決定したいものです。
広域調査とはどのような税務調査なのか
税務調査に入られる理由はいくつかあるのですが、そのひとつに「広域調査」と呼ばれるものがあります。
広域調査とは、いくつかの税務署の管轄にまたがって、同時に行われる税務調査のことです。
具体的には、親・子会社や関連会社がいくつかあり、その登記場所がバラバラの場合に、それらの会社に一斉に税務署(調査官)が入り、税務調査を実施するケースです。
広域調査は無予告調査のことがほとんど
もちろん、関連会社がいくつかあるからといって、絶対に広域調査が行われるというものではありません。
しかし、広域調査が行われる場合は、そのほとんどが無予告調査(事前に通知のない税務調査)になります。というのも、事前に連絡をすると、関連会社同士 で数字を合わせたり、税務署には見せられない資料を破棄したりする可能性が高くなるからなのです。
無予告調査については以前掲載しました 突然の税務調査 ! ? 無予告調査への正しい対処法まとめをご参照ください。
広域調査と似ている「同時調査」とは
広域調査はかなりやっかいで、複数会社、しかも実質的には同じ経営者である法人に、同時に税務調査をされるわけですから、対応するだけで大変なことになります。
また、似たような税務調査の種類に「同時調査」があります。
同時調査とは、2つ以上の税目の税務調査を同時並行して行われる調査のことを指します。
税務署は、法人税=法人課税部門、所得税=個人課税部門、相続税=資産課税部門など、 税目(税金の種類)ごとに部署が分かれています。
通常は1つの部署だけで税務調査を行うものなのですが、何か理由がある際には、部署が合同で税務調査を実施することもあります。
税務署は、法人税=法人課税部門、所得税=個人課税部門、相続税=資産課税部門など、 税目(税金の種類)ごとに部署が分かれています。
通常は1つの部署だけで税務調査を行うものなのですが、何か理由がある際には、部署が合同で税務調査を実施することもあります。
まとめ
会社に対する税務調査であっても、法人税のみならず、消費税や源泉所得税、印紙税なども同時に調査の対象となり、このような場合も同時調査と呼ばれることがありますが、これは一般的な税務調査だと思っていただいて結構です。
また、経営者が亡くなられた場合に、相続税には会社の株式の評価などが絡む場合は、相続税の調査のみならず、法人税の調査も同時に行われる場合もあります。 税務調査にもいろいろな種類のものがあり、一筋縄でいかないということだけでも知っていただければと思います。
税務調査についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参照 : SHARES 田中雅明税理士事務所 田中雅明のページ
その他税務調査に関する記事
その他税務調査に関することは以前掲載した下記記事をご参照ください。
■ 税務調査のポイントまとめ ! 事前通知から当日の流れまでを詳細解説
■ これを知っていれば怖いものなし ! 税理士が解説する「税務調査の事前準備」
■ 税務調査は世間話から始まっている ! 調査官の驚くべきテクニックとは
■ 税務調査で焦らないために ! 税務処理のポイントを交際費、寄付金の観点から解説
■ これを知っていれば怖いものなし ! 税理士が解説する「税務調査の事前準備」
■ 税務調査は世間話から始まっている ! 調査官の驚くべきテクニックとは
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