クラウド会計導入の前に読んでほしい、税理士が教えるクラウド会計の注意点 !
税務・財務


この記事の目次

クラウド会計に対する私の考え


MFクラウド(マネーフォワード)やfreeeは、会計業界に衝撃的を与えました。『FINTECH』というキーワードを去年聞かれた方も多いのではないでしょうか ?

実際に『作業効率が飛躍的に良くなる』『会計事務所と情報共有が楽になる』『手入力などの作業が軽減される』等々かなり利点が多いと考えます。税理士ですが、工学部出身の私はPCやクラウドを使いこなしている方だと考えています。ですので上記ソフトをすぐに取り入れることができました。

弥生や他のソフト会社もクラウド会計ソフトをリリースしています。ですので、今後どんどん作業効率が良くなるシステムが開発されるのでは ? と考えています。


クラウド会計の弱点


ただし、クラウド会計にも弱点があると私は考えます。
私の考える弱点は3つあります。



詳細は以下です。


(1)ネットバンキング等に抵抗のある方には向かないのでは ?


『連携』の前提は『デジタルのデータ』が前提になると考えます。ネットバンキングが代表例になると私は想像します。ネットバンキング自体ATMに行かなくても振込などが可能で、便利かと思います。その一方でセキュリティ面で心配されている方もいるのではないでしょうか ?

また、現金取引がメインの方や取引本数自体が少ない方は『ネットバンキングの恩恵を受ける要素が少ないのでは ? 』と考えています。

ですので私はすべてのクライアントにクラウド会計を薦めず、インストール型の弥生会計を利用し、私の事務所で記帳代行をするなど、別の方法を提案しています。クラウド会計は『この方の環境ならが合うのでは ? 』という方に薦めています。



(2)ネットバンキング以外にも環境を整える必要がある


『クラウド会計に連携』するために飲食店の売上はPOSレジが採用されると予想されます。『連携しないレジ』を採用している方は(1)のネットバンキングと同様にクラウド会計の良い部分を活かしきれないと考えています。

また、売掛金は請求書発行サービスなどと連携しますが、連携しないシステムは従来通り手入力などの作業を行います。これは私の感想ですが、手入力でしたらインストール型ソフトの方が入力スピードが速いと考えています。『クラウド会計を利用するのと同様に連携しやすい環境を整えることも大切』だと私は考えます。



(3)ルール設定が大切


『今まで紙媒体で作業していた』作業を、紙を使わずPCやネット上で作業することになります。今までのルールでは通用しない部分も出てくると予想されます。『個人事業主』『社長一人の会社』などは、共通のルールは必要ないと考えます。

ただし、経理担当者が複数人いる場合には『共通のルールを改めて作成する必要があるのでは ? 』と考えます。

また、クラウド会計も道具に過ぎないので、自動取込などで誤った勘定科目を設定するなど『設定を間違えると誤った処理』がされます。ですので『操作する人間もシステムの適切なルール設定が大切なのでは ? 』と考えています。



今後のクラウド会計


今後、どんどん業務効率が良くなるシステムが開発されると予想されます。時短は残業時間削減など経営者や従業員にとって、プラスの要素があると私は考えます。

ただし、上記にも書いた通り【クラウド会計は道具の1つ】に過ぎませんし、絶対使わなければならないものでもありません。『試しに、クラウド会計の利点を活かせるかどうか見極めてから本格導入を検討する』ことも悪いことではないと思います。


まとめ


何社かのクラウド会計を試用して、使いやすいクラウド会計を選択することも悪いことではないと、私は考えます。MFクラウド、freeeそして弥生会計オンラインを比較したことがある私は、それぞれのソフトに利点弱点があると感じています。 いずれにしても、皆様の経営にプラスになるシステムを導入していただければと私は考えます。

ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
参照 : SHARES宮﨑雅大税理士事務所 宮﨑雅大のページ

平成29年7月現在の投稿です。この文章が《過去のIT技術》と言われるように、クラウド・インストール問わずソフト開発会社の皆様には、私がワクワクドキドキするような新しい技術を作ってください。期待しています。

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